しびれ(脊椎手術後のしびれ)
症状
しびれや痛みを取るために脊椎の手術を行います。しかし、脊髄や馬尾神経、神経根の圧迫が手術により無くなっているにも関わらず、しびれが残ることもあります。
原因と病態
脊椎の手術を行う場合には、一定期間脊髄や神経根の圧迫が続いている場合がほとんどです。
手術により神経の圧迫を取り除くことはできますが、手術で神経そのものに対しての治療は行えません。長期間にわたり圧迫されていた神経は変化が生じている場合があり、圧迫を取り除いても神経の障害が治らないことがしびれの残る原因です。
また、神経を圧迫している骨を削る操作が必要な手術では、神経を守るためにヘラを当てたり、神経を横へよけたりすることが必要になります。
これは神経にとって、圧迫することや引っ張ることになるので、脊椎の手術では必ず神経に対して圧迫や牽引が生じることになります。もちろん手術は短時間なので、これによる神経の障害は回復しやすいのが一般的ですが、障害が残る可能性もあります。
対応
手術後に神経に対する新たな圧迫が起きていないかCT検査、MRI、造影検査などで確認します。
神経に対する圧迫がなければ、上記のような原因でのしびれと考えられるため、ある程度しびれの残存に慣れることが必要になります。
脊椎手術後のしびれについて医師が解説
一般に神経障害を伴う病気では手術で神経を圧迫しているものを取り除いても、神経が障害を受ける以前の状態まで戻ることはありません。手術の目的の一番大事なことは、現在、神経に障害を与えているものを取り除き、神経がこれ以上傷害されないように予防することです。圧迫を解除された神経に自己修復する能力が残っていれば、症状は軽減しますが、術後にどのくらい症状が改善するかは予測ができません。傷害された神経が回復できない部分が後遺症として残ります。一般的には術後に痛みは比較的取れやすいのですが、しびれや運動機能低下は治りにくいと言われています。