頚椎症性脊髄症
症状
ボタンの掛け外し、箸の使用、字を書くなどが困難になったり、歩行で脚がもつれるような感じ、階段で手すりを持つようになったりといった症状が現れ、手足のしびれも出てきます。
若年の方であれば、比較的かけ足や片足立ちをしにくくなるなど、軽度の症状を自覚できますが、高齢者では気づきづらいため、症状の発見が遅れる場合があります。
原因と病態
加齢変化による頚椎症(椎間板の膨隆・骨のとげの形成)の変化により、頚椎の脊柱管(骨の孔)の中にある脊髄が圧迫され症状が現れます。
日本人は脊柱管の大きさが欧米人に比較して小さいので、脊髄症の症状が生じやすくなっています。
診断
症状と四肢の反射の亢進などの診察所見があり、レントゲン検査所見で頚椎症性変化を認められ、MRI検査で脊髄の圧迫を認めることで診断します。
中年以降ではレントゲン検査での頚椎症性変化はほとんどの人に見られ、MRI検査での脊髄圧迫所見も症状がない場合でも見られるので、検査所見だけで診断することはできません。
神経内科の病気の一部は症状がよく似ている場合があるので注意が必要です。
予防と治療
転倒など、軽微な外傷で四肢麻痺(脊髄損傷)になる可能性があるので、転倒しないように注意してください。
一般的には日常生活に支障があるような手指巧緻運動障害がみられたり、階段を登り降りする際に手すりが必要となれば手術による治療が行われます。