腰椎分離症の主な症状や治療方法について
腰椎分離症とは
腰椎分離症は、腰椎に力が加わり、腰椎の一部を骨折することで起きる病気です。疲労骨折が原因と考えられており、成長期の子どもに多く発症しています。軽症の場合は自覚症状がほとんどありませんが、治療せず放置することで、脊椎すべり症のひとつである分離すべり症に進行する特徴があります。
ここでは、腰椎分離症の主な症状や原因、治療法などについて解説します。
ここでは、腰椎分離症の主な症状や原因、治療法などについて解説します。
主な症状
腰椎分離症の主な症状は、腰、尻、太ももの痛みやしびれです。腰を反り返したときに痛みが強くなるのが特徴で、腰椎の疲労骨折が原因と考えられており、運動中や運動直後に腰痛を感じることが多いです。 軽症である場合には自覚症状はほとんどないため、気がつかずに放置してしまいがちですが、後から腰痛だけでなく、下肢痛やしびれが起きる場合があります。また、若い頃は痛みを感じなかったものの、加齢とともに痛みが出現する場合もあります。
腰椎分離症になりやすい方の特徴
腰椎分離症になりやすい方は、スポーツをしている中学生や高校生です。実際に、腰椎分離症の患者の約9割は13~18歳です。なかでも、身体の柔らかい中学生に多く発症しやすいです。運動などで腰を激しくひねる動作を繰り返すと、腰椎の後方部分にあたる椎弓(ついきゅう)が疲労骨折し、腰椎分離症の発症につながります。
腰椎分離症は若者だけでなく、同じ運動を繰り返している大人でも発症しやすいといえます。腰椎分離症になりやすいスポーツは、腰をひねることが多い野球やバレーボール、テニス、バスケットボール、ゴルフなどです。
腰椎分離症は若者だけでなく、同じ運動を繰り返している大人でも発症しやすいといえます。腰椎分離症になりやすいスポーツは、腰をひねることが多い野球やバレーボール、テニス、バスケットボール、ゴルフなどです。
分離すべり症への進行に注意
腰椎分離症は、症状を放置することで、分離すべり症へ進行するため注意が必要です。分離すべり症とは、骨が分離していることで、腰椎が前方や後方にずれる病気です。腰椎がずれてしまうと神経を圧迫するため、腰や足の痛み、しびれが生じます。神経の圧迫が進行すれば、排尿・排便障害などの神経症状も出てくるため、早期発見と早期治療が重要になります。 腰椎分離症が分離すべり症に進行するまでには、長い時間があります。腰椎分離症は、骨折部位に出ている痛みを長期間放置することで、偽関節と呼ばれる治りにくい状態になります。偽関節になる前に病院を受診するなど、腰椎分離症への早めの対処が分離すべり症に進行させない大切な方法になります。
腰椎分離症の原因
腰椎分離症の原因は、腰椎の後方部分にあたる椎弓が疲労骨折することです。とくに脊椎の傾斜が大きく、負担がかかりやすい第5腰椎に発症しやすい特徴があります。腰椎分離症が中学生や高校生などの若い時期に発症しやすいのは、成長期であり、骨が未発達のため骨折しやすいからです。
腰椎分離症が分離すべり症に進行するまでには、長い時間があります。腰椎分離症は、骨折部位に出ている痛みを長期間放置することで、偽関節と呼ばれる治りにくい状態になります。偽関節になる前に病院を受診するなど、腰椎分離症への早めの対処が分離すべり症に進行させない大切な方法になります。
腰椎分離症が分離すべり症に進行するまでには、長い時間があります。腰椎分離症は、骨折部位に出ている痛みを長期間放置することで、偽関節と呼ばれる治りにくい状態になります。偽関節になる前に病院を受診するなど、腰椎分離症への早めの対処が分離すべり症に進行させない大切な方法になります。
腰椎分離症は大人にも起こる?
腰椎分離症は大人でも発症します。子どもに発症することが多い病気ですが、スポーツを習慣とする大人であれば発症することがあります。一般成人でも男性で約8%、女性で約4%に発症するといわれています。 また、軽度であると痛みを生じないため、子どもの頃に発症していても受診や治療をせずに、大人になってから発覚する場合もあります。骨は骨折後、早めであれば癒合させることができ、根治治療も可能です。早期に診断を受けることで、適切な治療をおこなえるため、腰痛を感じた際には、早めに医師に相談するようにしましょう。
診断方法
腰椎分離症の診断方法は、腰椎レントゲンで分離部(椎弓の骨折の有無)を確認します。椎弓の状態を確認するには、腰椎をレントゲンで斜め45度に撮影します。腰椎分離症の場合には、テリアの首輪と呼ばれる典型的分離像が見られます。CTでも分離部を確認することができるため、レントゲンではなく、CTを用いる場合もあります。
腰椎分離症の治療方法
腰椎分離症の治療方法は、コルセットを用いた保存的治療と手術による治療があります。ここでは、それぞれの方法を紹介します。
コルセットを用いた保存的治療
腰椎分離症の初期段階では、コルセットを用いた保存的治療がおこなわれます。コルセットを用いることで患部を安静に保つことができます。治療期間は3~12ヶ月で、骨の癒合状態に合わせて、コルセット装着とともにスポーツ中止も指導します。早期治療であれば、保存的な治療で完全な治癒が見込めるため、早めの受診が重要です。長期間にわたり、腰椎分離症が放置されると、コルセットでの骨の癒合は難しいため、痛みの軽減のためにコルセットを使用することになります。
手術による治療
早期回復を望む場合やコルセットによる保存的治療では骨の癒合が難しい場合に、手術による治療がおこなわれます。偽関節になっていない状態であれば、低侵襲(身体への負担が比較的小さい)の分離部修復手術がおこなわれ、入院期間も3~7日間となります。早期にスポーツを開始したいなど、早期回復を望む方におすすめの方法です。偽関節の手術の場合には、筋肉の剥離操作や新しい骨を別の場所から採取して移植するため、侵襲の大きい手術になります。入院期間も14日間ほどになります。
腰椎分離症の予防には腹筋の強化とストレッチが有効
腰椎分離症を予防するには、腰椎への負担を減らすことが重要です。そのためには、体幹筋力の強化と股関節周辺筋の柔軟性が必要になります。ここでは、腹筋の強化方法と腰やハムストリングス、臀部(でんぶ)のストレッチ方法をご紹介します。
■ 腹筋の強化方法
腰椎分離症の予防には、腰に負担をかけない腹筋トレーニングをおこない、体幹を支える筋力を高めていきましょう。腰椎分離症の誘発を防ぐため、骨盤を後傾させることがポイントになります。
- 1.仰向けに寝て、膝を90度に曲げて、足の裏を地面につける
- 2.骨盤を後傾させるため、腰の下に手を入れ、腰で手を圧迫する
- 3.頭を少し持ち上げておへそをのぞきこみ、1~2秒キープ(※上半身全体を起こさない)
- 4.ゆっくりと戻す。1セット10回を目安におこなう。
■ 腰のストレッチ
腰椎分離症の予防には、腰椎にかかる負担を減らせるよう、腰のストレッチをおこない、腰部の柔軟性や可動域を広げていきましょう。腰椎分離症の誘発を防ぐため、背中全体を丸めることがポイントになります。
- 1.座位で肩幅程度に開脚して、膝をやや曲げる
- 2.左右の手で、それぞれの足の裏をつかみ、膝をゆっくりと伸ばす
- 3.背中全体は丸めるようにし、腰の伸びを意識し、15~30秒キープ
■ ハムストリングスのストレッチ
腰椎分離症の予防には、ハムストリングスのストレッチもおこない、股関節周辺筋の柔軟性や可動域を広げていきましょう。腰椎分離症の誘発を防ぐため、背中全体を丸めることがポイントになります。
- 1.座位で片方の足を伸ばし、もう片方の足をしっかり曲げて伸ばした足を支えながら伸ばした足を両手で持つ
- 2.胸を伸ばした足の大腿に押し付けるように上半身を曲げる
- 3.背中全体は丸めるようにし、15~30秒キープ
臀部のストレッチ
腰椎分離症の予防には、臀部のストレッチもおこない、股関節周辺筋の柔軟性や可動域を広げていきましょう。腰椎分離症の誘発を防ぐため、背中全体を丸めることがポイントになります。
- 1.四つん這いの状態になり、片方の足を前に出し、膝を外側に倒す
- 2.上半身を前に出した大腿に載せるように、前方に体重をかける
- 3.背中全体は丸めるようにし、臀部の伸びを意識し、15~30秒キープ