膝外側の痛みの原因は?緩和する方法や治療法について

公開日 2024.9.12

長時間のランニングやスポーツをする方で、膝の外側に痛みを感じたことはありませんか?膝の痛みにはさまざまな原因・病気が考えられ、それによって処置や治療法も異なります。
今回は、痛みの原因や考えられる膝疾患、痛みを緩和する方法や治療法についてご紹介します。

膝の外側が痛むのはなぜ?

膝の外側が痛む原因は、靭帯や半月板の炎症や損傷によるものが考えられます。
膝関節は3つの大きな骨から構成されており、そのなかでも大腿骨と脛骨は、4つの靱帯と半月板によって繋がれています。靱帯は膝を支える役割を、半月板はクッションの役割を果たし、膝関節の安定した動きをサポートしています。

しかし、スポーツやランニングなどで同じ動作を何度も繰り返すと、靱帯や半月板が過剰に使用され、炎症を引き起こすことがあります。外側の靱帯や半月板が炎症を起こすと、痛みを生じさせる可能性があります。
つまり、膝の外側が痛む主な原因は、靱帯や半月板の過剰使用による炎症や損傷です。

膝の外側が痛む代表的な3つの関節疾患

膝関節の外側に痛みが生じるものとして、次のような疾患があげられます。

腸脛靭帯の炎症(ランナー膝)

腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)とは、お尻から膝の外側まで伸びる大きな靱帯のことです。腸脛靭帯は、膝が屈伸するたびに上下に動き、太ももの骨との間で摩擦が生じて炎症を起こすことがあります。

過度に負荷をかける、同じ動作の反復などにより、腸脛靭帯に炎症が生じ、膝関節の外側に痛みが発生します。特に長時間のウォーキングやランニングなどで生じやすいことから「ランナー膝」とも呼ばれます。

ランナー膝の詳細はこちら>

外側側副靭帯の損傷

外側側副靱帯(がいそくそくふくじんたい)とは、太ももから伸びる「大腿骨」と、すねの外側にある「腓骨」をつなぐ靱帯のことです。膝が左右にグラつかないようにサポートする役割があります。
激しいスポーツなどで、外側側副靱帯を損傷するケースが見られます。特にラグビーや柔道など、人との接触や転倒が多いスポーツをしている方になりやすい膝疾患です。

膝の外側に痛みを感じる、膝がグラグラする、膝の力が抜けるなどの症状が現れた場合、外側側副靱帯を損傷している可能性があるでしょう。

外側半月板の損傷

半月板は、膝関節の大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にある軟骨のことです。膝にかかる負担を抑えるクッションの役割を果たします。軟骨は外側と内側に付いており、スポーツなどで外側半月板を損傷することがあります。スポーツだけでなく、高齢者の方も加齢が原因で損傷する場合も見られます。

特にバレーボールなどのジャンプの動作、サッカーなどで膝を捻る動作があるスポーツで損傷するケースが多く見られます。外側半月板だけ負傷する場合は比較的少なく、靱帯の損傷も併発しているケースが多い傾向です。

膝の外側の痛みを緩和するには?

膝外側の痛みが生じる原因はさまざまですが、炎症初期の痛みを和らげるにはまず「安静にする」ことが大前提です。痛みや腫れが強い場合、ストレッチやマッサージはかえって悪化する可能性もあるため注意しましょう。
これを踏まえて、セルフでできる痛みを緩和する方法をご紹介します。

患部を冷やすまたは温める

急性の痛みや炎症初期の場合、患部を冷やすことで痛みを緩和できます。冷却スプレーや保冷剤などが有効です。患部を冷やして30分程度は安静にしましょう。
ただし冷やしたり、アイシングが有効なのは、直後の痛みや初期の場合です。慢性的な膝関節痛などは、ホットタオルやカイロなどで温めることが有効になるため注意しましょう。

湿布で炎症を抑える

鎮痛や炎症を抑える効果のある湿布を患部に貼ることも有効です。湿布に含まれる鎮痛や消炎成分が皮膚に浸透し、痛みを和らげます。
なお、湿布には冷やしたり、温めたりする効果はなく、あくまで炎症を抑える効果にとどまります。急性の痛みにはまず、保冷剤で冷やすなどが必要です。

サポーターを装着する

膝関節にサポーターを装着して補助することで、痛みが緩和できることもあります。装着することで保温効果もあり、冷えによる血行不良を防ぐことにもつながります。

なお、スポーツのために使用するサポーターではなく、リハビリの補助として使うサポーターです。サポーターを装着したからといって、すぐにスポーツが再開できるわけではありません。痛みの緩和は一時的なものであるため、まずは安静にすることが基本となります。

テーピングで固定する

サポーターと同じく、膝をテープで固定することで痛みの緩和につながることがあります。屈伸の動作が多い膝には、高い伸縮性があるテープがおすすめです。テープを巻くことで動きを制限したり、適度な圧迫を加えることで痛みを和らげられます。
患部を安静に保つための応急処置としての効果はもちろんですが、再発の予防としても役立ちます。

ストレッチやマッサージをする

適度なストレッチやマッサージで筋肉をほぐすことで、痛みを和らげたり、再発予防ができたりします。ただし、負傷した直後や半月板や靭帯を大きく損傷している場合などは、かえって逆効果となるためまずは安静にしてください。ストレッチやマッサージは、その後のリハビリとして取り入れるとよいでしょう。

膝外側を痛めてしまうのは、ウォーミングアップ不足が招いているケースもあります。筋肉や靱帯の柔軟性を上げるためにも、日頃から運動前のストレッチは欠かさずおこなうことが大切です。

膝関節の痛みに効果的!自宅で出来る簡単ストレッチ>

膝外側の痛みを感じたらまずはクリニックへ

応急処置やある程度のセルフケアはできますが、基本的には自己判断せず、痛みを感じたら医療機関を受診するようにしましょう。膝外側の痛みといっても、さまざまな原因や疾患が考えられます。自己判断でケアするとかえって怪我を悪化させてしまう可能性もあります。

適切な治療をするためにも、MRI検査などで詳しく調べることが重要です。MRI検査では、膝関節の内部にある半月板や靭帯などの組織を詳細に調べられます。根本原因を特定し、適切な治療を受けるためにまずは整形外科を受診しましょう。

膝関節の外側の痛みの主な治療法

原因や膝疾患の種類によって適した治療法は異なりますが、主に次の3つの治療法があげられます。

保存療法

比較的症状が軽い場合は、湿布やサポーターなどを使用したり、薬を処方したりして様子をみることもあります。そのほか筋力を向上させる理学療法を用いたり、ヒアルロン酸注射で痛みを和らげたりすることもあります。

手術療法

再発を繰り返す、痛みが悪化して続いている場合などは手術を検討します。膝疾患別に、手術の内容は下記のように異なります。

  • 腸脛靱帯の炎症:腸脛靱帯の部分切除・延長術
  • 外側側副靱帯の損傷:靱帯再建手術
  • 外側半月板の損傷:半月板の縫合術・切除術

再生医療

再生医療は、保存療法と手術療法の間に位置付けられる新しい治療法です。自身の細胞を利用して自己治癒力を高め、関節の痛みを改善します。1回の治療で長い効果の持続性があり、毎月の治療や通院が不要です。手術や入院も不要なため、身体に負担もかかりません。
これまで保存療法で効果がなければ、手術療法しか選択肢がありませんでしたが、新たな選択肢として注目されています。

膝関節再生医療の詳細はこちら>

まとめ

膝関節の外側の痛みは、靱帯や半月板の炎症や損傷が主な原因です。特に普段から長時間のランニングや、激しいスポーツをしている方は発症しやすいといえます。痛みを感じた直後の応急処置などはご自身でも可能ですが、自己判断せずに医療機関を受診することをおすすめします。膝の痛みを放置していると、症状が悪化したり、将来歩けなくなったりするリスクも考えられます。

西新宿整形外科クリニックでは、膝関節再生医療を取り扱っています。損靱帯や半月板の損傷などによる膝関節の痛みの改善も期待できます。従来の保存療法では効果がみられない、手術や入院は抵抗があるという方は、再生医療も新しい選択肢のひとつです。辛い痛みをなんとかしたい方は、当院にお気軽にご相談ください。

監修医師紹介

沼倉 裕堅 院長

西新宿整形外科クリニック

沼倉 裕堅 院長

Hirokata Numakura

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