アルギニンとの飲み合わせに気を付けるべき薬もあります


アルギニンは体のために必要なアミノ酸の中の一つで、一般的な大人なら体内で作ることができる栄養素とされています。アルギニンは子供の成長を促す働きがあるのですが、子供の頃には体内で生成する量だけでは足りなくなる場合もあります。

子供の成長を促す栄養補給のためにアルギニンを食品やサプリから摂取する場合、アルギニンと一緒に飲んではいけない薬に気を付けましょう。

気を付けるべき薬には、血液凝固抑止薬・高血圧治療薬・狭心症治療薬などがあるとされています。

アルギニンにはさまざまな働きがあります

アルギニンには、 成長ホルモンの合成を促す働きや、免疫力を高める働き、疲労を回復する働きなどがあるとされています。そのため成長期の身長を伸ばしたい子供や、大きなケガをしたあと、術後の人などが摂取することで、さまざまな状態の改善が期待できるとされています。

アルギニンは「成長ホルモン分泌刺激試験」に使用されている栄養素でもあります。

成長ホルモンの合成がちゃんと出来ているか、成長ホルモンの問題がないかどうかを確かめることができるため、しっかりと成長ホルモンに働きかけることができる栄養素と言えるでしょう。

成長ホルモン分泌刺激試験で使用されるアルギニン量は、体重1kgに対して0.5gとかなりの量です。

さらにアルギニンは直接点滴で投与されるので、200mg~2g程度の内服剤が主流とされているサプリメントと摂取量は大きく異なるといえるでしょう。

専門の医療機関では、成長ホルモンの分泌が期待できますが、市販されているサプリメントの服用では、実際に成長ホルモンが増加することは難しいとも考えられています。

アルギニンの摂取には注意する点もあります


アルギニンは過剰摂取した場合にさまざまな問題が生じるとされています。まずアルカリ性の性質をもっているため、過剰に摂取した場合には消化器官に負担がかかり、腹痛や下痢などの症状が出る場合があります。

喘息などのアレルギーがある場合には、そのアレルギー症状が強く出る場合もあるかもしれません。

ヘルペスができている場合や統合失調症をもつ場合も、症状が悪化する恐れがあるためアルギニンの摂取を控えた方がよいでしょう。

口にするものにさまざまな注意が必要になることが多い妊娠中には、食品からある程度のアルギニンを摂取する場合は、とくに問題がないとされています。

ただし妊娠中にアルギニンを大量に長期間摂取することについては、まだ妊婦や胎児にとって安全かどうか十分なデータが出されていません。

成長期の子供に必要とされているアルギニンですが、もし過剰に摂取した場合には、 身長が伸びすぎる巨人症になる恐れもあるとされています。

食品やサプリメントからの摂取でも、アルギニンの含有量や用法・用量に気を付けないと過剰摂取による問題が生じる場合があるでしょう。

アルギニンは足りない場合にだけ補充することが大切です

アルギニンは非必須アミノ酸のため、成長期の子供が食品などで成長に足りない分だけを補充する必要はあるといえます。ただしアルギニンの補充をしたからといって、必ず身長が伸びるとは限りません。

成長ホルモンを多く分泌させようとして、足りない栄養素をしっかりと把握できていないままアルギニンを過剰に摂取すると、かえって体の状態を悪くしてしまうかもしれません。

身長の伸びが平均から大きくずれている場合、成長ホルモンの分泌そのものがされていないこともあります。

毎日の食事に気を付けて必要な栄養素を摂ったり、サプリで栄養素を補充していたりしても、万が一成長ホルモンの分泌に異常が起きている場合には身長の伸びは改善されないでしょう。

これまでは問題なかったのに急に身長の伸びが悪くなった、という場合には、病気などが原因で身長の伸びが妨げられていることもあります。

成長期に身長をできるだけ伸ばしたいというときには、なるべく早めに専門の医療機関に相談して、正しい体の状態を見てもらうことが大切です。

(まとめ)アルギニンと薬には危険な飲み合わせがある?

1.アルギニンとの飲み合わせに気を付けるべき薬もあります

アルギニンは体内で作ることもできるアミノ酸の中の一つと言われています。子供は体内で生成するアルギニンだけでは足りないため、 食品やサプリなどから摂取する必要があります。

血液凝固抑制薬や高血圧治療薬などの薬と一緒に飲むことはできません。

2.アルギニンにはさまざまな働きがあります

アルギニンにはさまざまな働きがあり、「成長ホルモン分泌刺激試験」で成長ホルモンの合成ができているかを確認するために使用される栄養素でもあります。

ただし摂取量の少ないサプリメントでは、成長ホルモンの分泌が期待できないとも考えられています。

3.アルギニンの摂取には注意する点もあります

アルギニンは、アレルギーの場合やヘルペスが出ているときなど、摂取を避けた方がよい場合があります。

また成長期の子供が過剰摂取をしてしまうと巨人症になる心配もあります。

4.アルギニンは足りない場合にだけ補充することが大切です

アルギニンは成長期の子供が不足しがちな栄養素といえます。ただし気を付けてアルギニンを摂取するようにしているだけで身長が伸びるとは限りません。

最近急に身長の伸びが悪くなったというときには、病気が原因で身長が止まっている恐れもあります。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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院長 沼倉 裕堅 医師