成長期の睡眠不足は成長期を早くむかえる可能性があります
思春期に寝不足になるとよくないというのは、睡眠が足りないことで成長期を早くむかえる可能性があるためです。思春期の到来は身長が伸びるラストスパートのサインで、思春期を終えると身長は伸びなくなってしまいます。早く思春期をむかえるということは、それだけ早い時期に骨の成長が止まってしまう可能性があるのです。
性ホルモンの分泌は骨の成長を促す一方で、分泌量が多くなれば骨の成長を止めてしまいます。
思春期を遅らせているのは睡眠中のメラトニンです
思春期の子供はたくさん寝たほうがよいのは、寝ているときにメラトニンが多く分泌されているからです。メラトニンは眠気を促すホルモンのことで、寝ているときはたくさん分泌されています。
もうひとつ重要な働きは、メラトニンが思春期の到来を遅らせていることです。
メラトニンは脳の松果体という部分から分泌されています。
日中は光を浴びることでメラトニンの分泌量は抑制されているのですが、夜になり暗くなると分泌量が高まるようにできているホルモンです。
夕方くらいから分泌量が増え始め、寝る時間になると自然と眠気を促すようにできています。
ところが現代では、夜遅くまで強い光を浴びる機会が増えてきました。
パソコンやスマートフォンを夜遅くまで使用することや、夜に塾へ通うことで強い光を浴びてしまうことがあります。
寝る前にこのような環境で過ごしてしまうと、寝る前にメラトニンが分泌しにくくなり、睡眠の質を低下させてしまうのです。
メラトニンは性腺の刺激を抑制し、思春期の到来の時期を遅くします。
近年の子供は初潮が早いともいわれているのは、強い光を浴びる環境が関係していると考えられているのです。メラトニンは睡眠を促し性腺の刺激を抑制するだけでなく、活性酸素の中和とも関係があるとされているため、子供にも重要なホルモンです。
塾に行かせるなら週末の日中がおすすめです
強い光を浴びることはメラトニンの分泌量を減らし、思春期が早まる原因となります。
現代の子供たちは夜遅くに塾に行かせて、強い光を毎日浴びていることも、成長が止まってしまう原因のひとつだと考えられるでしょう。
塾に通わせるなら、強い光を浴びなくて済む週末の日中を選んでみてください。
平日に塾に行かせるとなると、遅い時間帯しかやっていない塾が多いため、どうしても強い光を浴びて睡眠の質が悪くなってしまうのです。
塾に行かせるのは子供の将来を考えてのことですが、メラトニンの分泌量が多いのは思春期までで、この時期にしっかり睡眠を取らせることが重要となってきます。
メラトニンの分泌は6~7歳くらいから脳の松果体が発達していき分泌量がピークになっているのです。
思春期をむかえる16歳頃からメラトニンの分泌量は減ってしまうため、それ以前にちゃんと睡眠を取れる環境にしてあげましょう。
6~16歳まではたった10年しかありませんから、子供の将来のことを考えるなら、この10年に塾に通わせて勉強させるより、しっかり睡眠をとってメラトニンの分泌量を促すほうがよいといえるのです。
とくに女の子は早くに思春期をむかえると、排卵する数が決まっているため、早くに閉経する可能性もあります。
思春期が早くくることは子供にとって負担がかかり、将来の健康状態にも影響を及ぼす可能性があるのです。
適度な睡眠は子供の脳の健康にも必要です
子供の睡眠不足がよくないのは、何も思春期を遅らせて身長を伸ばすためだけではありません。
寝ている時間帯を利用して脳が休んでいるため、子供の脳の健康を守るためにも役立つことです。
深い睡眠になるノンレム睡眠は、脳を休ませるためにあります。
実はノンレム睡眠は人間のように脳が発達する生き物しか存在していません。
子供の頃は、寝ているときに脳を休ませることで脳が発達していると考えられています。
寝ているときにノンレム睡眠は記憶力を維持するためにも役立っています。
勉強は徹夜でやるのではなく、睡眠を取ると記憶が定着するといわれているようです。
子供は勉強をすることも仕事のひとつですから、学習能力を高めたい家庭は、子供にちゃんと寝てもらうよう心がけましょう。
睡眠時間が長い子供は、記憶力に重要な海馬が大きいという研究データもあります。
さらに注目したいのが、睡眠と心の成長です。
睡眠不足の子供は生活態度が悪くなりやすく、イライラやうつなどの症状も出やすいといわれています。
心の安定にも睡眠が役立っている可能性があるのです。
睡眠不足はちょっとした工夫でも改善できるため、家庭でもできるだけ寝る時間を増やしてみましょう。
(まとめ)成長期の睡眠不足にはどんな影響がある?
思春期の寝不足は早くに思春期をむかえ、骨の成長が早く止まる可能性があります。性ホルモンの影響を受けて身長の伸びにスパートがかかり、性ホルモンの分泌量が多くなると身長が止まってしまうためです。
思春期の到来を遅らせるホルモンがメラトニンです。メラトニンは睡眠を促すホルモンで、光を浴びることで分泌が抑制され、夜になると分泌量が増えています。
そのため強い光はメラトニンの作用が弱くなるため注意してみましょう。
強い光を浴びてメラトニンの生成を減らす原因のひとつに、塾通いがあります。メラトニンは思春期を遅らせているホルモンで、分泌量が減れば早く思春期をむかえて成長が止まってしまう可能性があるためです。
塾は強い光を浴びやすいため注意してみましょう。
適切な睡眠は、脳を休ませ脳の成長にも役立っていることです。睡眠を適切に取っている子供は、記憶力が高く、心が安定しているともいわれています。
子供にとって睡眠は脳や心にも関係していることなのです。