成長期には炭水化物など5大栄養素が必要です
成長期の子供は体がどんどん伸びていく時期ですから、体に必要な5大栄養素を摂取する必要があります。5大栄養素とはタンパク質・脂質・炭水化物・無機質・ビタミンの5種類のことです。
成長期の子供にとってどれも欠かすことができない栄養素のため、バランスよく摂取しましょう。
タンパク質・脂質・無機質は体をつくるために必要で、炭水化物はエネルギー源となり、無機質とビタミンで体の調子を整えるとされています。
目次
炭水化物は子供のエネルギー源として必要です
炭水化物は体にとって重要なエネルギー源で、1日に必要なエネルギー源のうち60%を占めているといわれています。
体や脳を動かすために必要なエネルギー源ですから、成長期の子供には炭水化物をちゃんと摂取させるようにしましょう。
とくに脳にとっては、炭水化物が唯一のエネルギー源となるため重要です。
炭水化物が不足すれば、脳を働かせるエネルギー源が不足してしまいます。
1日に必要となる炭水化物の摂取量は、エネルギーの50~60%が目標値となります。
総エネルギー量に対し、タンパク質13~20%、脂質20~30%に調節することが望ましいとされているようです。
- 3~5歳
男の子 1,300kcal
女の子 1,250kcal - 6~7歳
男の子 1,350~1,750kcal
女の子 1,250~1,650kcal - 8~9歳
男の子 1,600~2,100kcal
女の子 1,500~1,900kcal - 10~11歳
男の子 1,950~2,500kcal
女の子 1,850~2,350kcal - 12~14歳
男の子 2,300~2,900kcal
女の子 2,150~2,700kcal - 15~17歳
男の子 2,500~3,150kcal
女の子 2,050~2,550kcal
それぞれ年齢に応じたカロリー数に対し、活動強度によって調節してください。
思春期の子供は大人以上のカロリー数を必要としているため、これらの量に対し50~60%の炭水化物量を摂取するよう意識してみましょう。
思春期の子供に糖質制限は基本的に不要です
炭水化物の過剰摂取がよくないという話を耳にすることもありますが、それは大人にとっての話です。
子供には当てはまらないため注意してみましょう。
大人が炭水化物をとりすぎると、余ったエネルギー源が脂肪として蓄えられ肥満を招くことから、炭水化物を避けることが勧められる場合があります。
しかし子供にとっての炭水化物は重要なエネルギー源で、特別な事情がない限り糖質制限をする必要はありません。
成長期で糖質制限をしてしまうと、体力が維持できず、脳のエネルギー源が不足して集中力が低下してしまうのです。
脳は炭水化物が唯一のエネルギー源で、炭水化物は蓄えがきかないため、毎日の食事で適切に摂取する必要があります。
糖質制限が必要なのは、成長期の子供が炭水化物をとりすぎて肥満になっているときです。
子供の頃に肥満になると、将来の生活習慣病にもつながりやすくなります。
肥満があるときでも必要なカロリー数は減らさず、食事のバランスを整えるだけでも改善される可能性があるのです。
農林水産省が発表する食事バランスガイドでは、主食5~7・副菜5~6・主菜3~5・牛乳や乳製品2・果物2のバランスがよいとされています。
量やバランスは、学校で出る給食をイメージしてみましょう。
スポーツをやっている子供はこまめな炭水化物摂取が必要です
運動強度が強くなると、炭水化物からのエネルギーに依存しやすいため、スポーツをやっている子供には適切な炭水化物の摂取を心がけましょう。
炭水化物はたった1%しか体に蓄えることができず、スポーツ強度によってエネルギー不足になるからです。
食事から摂取した炭水化物が足りなくなると、筋肉中のグリコーゲンをエネルギー源として使います。
さらに筋肉グリコーゲンが不足した状態では、筋肉などのタンパク質が分解されてしまうのです。
そのためスポーツをやっている子供は、エネルギー源が不足しないよう食事から適切な炭水化物の摂取が必要で、筋肉グリコーゲンを蓄えるためにもこまめな摂取が重要となります。
一度筋肉グリコーゲンが不足すると、回復するまで約半日かかります。
すぐに回復することはできませんから、1日に何度か回数を分けて炭水化物を摂取させてください。
失われた筋肉グリコーゲンの回復は、糖質とクエン酸を一緒に摂取すると早くなります。
スポーツ後は糖分とクエン酸の両方が含まれている飲み物や食べ物を摂取しながら、エネルギー回復をはかってください。
(まとめ)成長期の食事には炭水化物が必要ですか?
成長期の子供にはタンパク質・脂質・炭水化物・無機質・ビタミンの5大栄養素の摂取が必要です。タンパク質・脂質・無機質で体をつくり、炭水化物でエネルギー源となり、無機質とビタミンで体の調子を整えると言われています。
思春期にとって炭水化物は、1日に必要なエネルギー量の60%を占めています。体や脳のエネルギーとなるのが炭水化物ですから、思春期でも炭水化物の摂取が必要です。
脳は炭水化物が唯一のエネルギー源となります。
大人にとって糖質制限が必要だとされることもありますが、子供にとっては不要です。炭水化物は子供の脳にとって唯一のエネルギー源で、蓄えはできません。
子供が肥満になっているときも、食事のバランスに注意してみましょう。
スポーツをやっている子供は、積極的に炭水化物を摂取しましょう。炭水化物はもともと体に溜め込みにくく、不足すると筋肉グリコーゲンを消費し、さらに足りなくなると筋肉を分解しやすくなるからです。