発育にはいろいろな栄養素が必要です
子供の発育に必要な栄養素とは単体ではなく、複数のものが必要となります。
5大栄養素の摂取で必要な栄養を摂取することはもちろんですが、とくに不足しやすいのがカルシウム・タンパク質・ビタミン・ミネラルでしょう。
とくに体の成長を促進させるためには、タンパク質が必要であると言えます。
骨端線を作る材料となるタンパク質は、大人以上の量を意識的に摂取する必要があると言えます。
子供は大人よりもタンパク質が必要と言われています
子供の成長に欠かせない栄養素の一つにタンパク質があります。
タンパク質は大人が1日60~80gの量が必要なのに対し、小学生では55~75g、思春期では75~90gが必要量となります。
成長期には大人以上のタンパク質が必要となるため、意識的に摂取しないと不足してしまうことがあるでしょう。
タンパク質には、体内で合成できない必須アミノ酸があります。
これは食事からしか補うことができません。
必須アミノ酸が不足すると、体内でタンパク質に合成する際に問題が生じてしまい、体の機能を維持することはできないでしょう。
ひとつでも欠けてしまえば、体のバランスが崩れてしまうのです。
タンパク質は私たちの血や肉をつくる栄養素で、子供の骨の成長にも欠かすことができません。
骨を強くするのがカルシウムで、骨を成長させるのはタンパク質の役割です。
背が伸びるのは骨芽細胞が新しく作り替えられるためで、このときにタンパク質のコラーゲンが使われています。
タンパク質は肉類や魚類、大豆食品などに多く含まれています。
肉類ばかりを食べすぎると、飽和脂肪酸の摂取量が多くなり肥満になりやすいでしょう。
魚や大豆食品もバランスよく食べる必要があります。
タンパク質は過剰に摂取すれば背が伸びるというものではなく、過剰摂取でカルシウムが流れ出やすいため、適切な摂取量が求められます。
子供の発育には鉄が必要です
学校給食は子供の発育に必要なミネラルの配合量となっているため、給食がある日は必要な栄養が満たされやすいでしょう。
ところが給食がない日はカルシウムや鉄が不足していることがわかっています。
食事から鉄を摂取することで、ヘモグロビンが全身に酸素を届けてくれます。
私たちの体は酸素がなければ生きていけませんから、鉄が不足すれば体は酸欠状態となってしまうのです。ところが鉄はもともと食事から吸収しにくく、思春期では消費量も激しいため不足傾向にあります。
思春期になればダイエット志向により食事を抜くことも、鉄の不足に影響しているでしょう。
1食抜くだけでも鉄は不足しやすいため、朝食をしっかり食べさせたいものです。
鉄の不足は貧血になりやすいだけでなく、体の運動機能や体温維持、免疫機能などが低下するともいわれています。
鉄は脳の発達にも必要なミネラルで、脳が成長する乳幼児にとって鉄の補給は重要です。
とくに2歳以下の子供の鉄が長期間不足すると、認知能力や情緒の発達にも影響を及ぼすと考えられています。
鉄は動物性食品に含まれるヘム鉄と、野菜などに多い非ヘム鉄があります。
どちらもバランスよく摂取しながら、鉄を補給するようにしましょう。
子供の健康な発育にはカルシウムも必要です
身長を伸ばすことにはつながりませんが、健康な発育のためにはカルシウムの摂取量についても注意が必要です。
カルシウムはどの子供の年齢でも不足しており、積極的に補いたい栄養素です。
カルシウムは体内に存在するミネラルの中でもっとも多く、3kgの新生児でも体内に約30gのカルシウムが溜め込まれています。
とくに急激に成長する思春期には、たくさんのカルシウムを必要としているのです。
カルシウム摂取量の目安を簡単にご紹介します。
- 6~7歳 615mg
- 8~9歳 674.5mg
- 10~11歳 823mg
- 12~14歳 907mg
- 15~17歳 848.5mg
- 6~7歳 604mg
- 8~9歳 701.5mg
- 10~11歳 797mg
- 12~14歳 756.5mg
- 15~17歳 674mg
食品から摂取したカルシウムがすべて吸収されるのではなく、そのうち30%程度しか取り込むことはできません。摂取したカルシウムは尿中や経皮排泄することから、たくさんの摂取量が必要です。
子供が一気に発育する時期は、体内に溜め込むカルシウムの量だけでなく、骨の発育に必要な量も加味されています。
男の子は12~14歳の頃に、女の子は10~11歳の頃に、カルシウムの摂取量を多くするようにしましょう。
カルシウムは、乳製品・小松菜などの野菜類・小魚・大豆食品などに多く含まれています。
ひじきのような海藻類も積極的に摂取させましょう。
(まとめ)発育に必要な栄養素はどんなものですか?
子供の発育に必要な栄養素は複数あります。5大栄養素をバランスよく摂取しながら、不足しやすいカルシウムやタンパク質を補うようにしましょう。とくにタンパク質は成長に必要な栄養素です。
成長期の子供にとって大人以上にタンパク質が必要です。タンパク質は子供の体の血や肉になるだけでなく、骨の成長にも必要となっています。
過剰になり過ぎてもカルシウム不足になるため、適切な量を摂取しましょう。
学童期の子供では給食がない日に鉄が不足していることがわかっています。乳幼児にとっても鉄は必要で、脳の発達にも関係しているミネラルです。
鉄が不足すれば貧血・運動機能・体温維持・免疫にも影響を及ぼす可能性があるでしょう。
子供の発育に必要な栄養素のなかでも、推奨量に達していないのがカルシウムです。成長期の子供は体に溜め込む量と、骨の成長にもカルシウムが必要となります。
年齢に応じたカルシウム摂取を心がけましょう。