骨端線とは成長途中の骨に見られる軟骨組織です
骨端線は成長期の子供の骨に見られる軟骨組織で、骨が成長していることを示すものです。
そのため、骨端線がある間は、これからも身長が伸びる可能性があると言えるでしょう。
思春期の終わり頃には骨端線が閉じることが多いとされていますが、実際の状態はレントゲンでしか確認できません。
骨端線の状態を確認し、身長を伸ばす可能性があるかを知るには、専門医を受診するのが確実でしょう。
身長を伸ばすために必要となるのが骨端線です
子供の骨の両端には、やわらかい軟骨組織があります。
レントゲンで確認すると、骨頭と骨幹に細いすき間のように見える部分です。
この軟骨組織は、「骨端線」、「成長線」、「成長板」などと呼ばれています。
骨が成長を続けているかどうかの目安となるもので、骨端線が確認できる間は、身長が伸びる可能性があります。
事実、大人の骨には骨端線が確認できません。
では、骨端線はどのように骨の成長に作用するのでしょうか。
軟骨組織である骨端線は骨芽細胞の働きによって作られます。
骨芽細胞が新しい軟骨を作り、それが硬い骨になるというサイクルを繰り返しながら、骨が伸びていくのです。
骨端線が確認できる状態を「骨端線が開く」、逆に骨端線が確認できなくなった状態を「骨端線が閉じる」といいます。
骨端線が閉じるのは骨が成長しきったことを意味しています。
したがって、骨端線が閉じてしまってから身長が伸びるということはありません。
その時期には個人差がありますが、思春期の終わり頃とされるのが一般的です。
骨端線を増やすためには成長ホルモンが不可欠です
子供の成長には乳幼児期、前思春期、思春期の3つの時期があり、それぞれの時期に成長に欠かせない大切な要素があります。
乳幼児期には栄養、前思春期には成長ホルモン、思春期には性ホルモンです。
なかでも骨端線を保つために重要なのが、成長ホルモンです。
成長ホルモンは睡眠中に脳下垂体から分泌される物質で、代謝をコントロールし、健康を維持するために働きます。
成長期には、主に新しい骨を作る骨芽細胞の働きを促して骨を伸ばすという、大切な役割のある物質です。
そのため、その分泌量は成長期にピークを迎えるとされています。
身長を伸ばしたければ、成長ホルモンをしっかり分泌させる必要があるでしょう。
成長ホルモンを活発にするには、十分な睡眠が欠かせません。
短時間の浅い眠りではなく、眠りについてから約3時間後の深い眠りの時に、成長ホルモンが大量に分泌されることが分かっています。
また、成長ホルモンの分泌には、すべての細胞のもとになるタンパク質をたっぷり食べることも大切です。
丈夫な骨を作るために、カルシウムやビタミン、ミネラルなど、あらゆる栄養素をバランス良くとることも忘れてはいけません。
さらに、走ったり飛び跳ねたりの全身運動は、骨端線への刺激となり、骨芽細胞の働きを活発にするものです。適度にからだを動かすことで、眠りにつきやすくする効果もあるのです。
性ホルモンには骨端線を閉じる働きがあります
からだ全体が子供から大人へと劇的に成長する思春期には、性ホルモンの分泌が始まります。
思春期に入ると、成長ホルモンの活動は次第にゆるやかになっていきます。
性ホルモンには発育を完成させる役割があるためです。
こうして性ホルモンの分泌が盛んになっていくと、新しい軟骨組織が増えることも少なくなり、やがて骨端線が閉じていきます。
骨端線が閉じるのは思春期の終わり頃です。
思春期の終わりは、男の子は声変わりが始まった頃、女の子は初潮を迎えた頃が目安となるでしょう。
そのため、性ホルモンの分泌が始まる前に、できるだけ身長を伸ばすのが望ましいとされています。
ただし、成長には個人差があるものです。
思春期は終わったけれど、まだ骨端線が閉じていないということもありえます。
骨端線の状態はレントゲンで確認するしか方法がありません。
まだ骨端線が開いているか、身長が伸びる可能性があるかなどは、低身長治療の専門医に相談するのが確実です。
(まとめ)骨端線とはどんなもの?
骨端線は骨が成長していることを示す軟骨組織です。
思春期の終わり頃には骨の成長が完成し、骨端線が閉じるとされています。
骨端線があるということは身長が伸びる可能性があるため、状態を確認するには専門医に相談してみましょう。
骨端線は成長期の骨にだけ見られる軟骨組織で、骨の成長、すなわち身長に影響するものです
軟骨組織がすべて硬い骨になり、骨端線が閉じると、身長を伸ばすことはできません。
成長ホルモンは睡眠中に分泌されるため、成長期の睡眠不足は身長に影響します。
また、すべての細胞のもとになるタンパク質を中心にバランス良く栄養をとることや、骨端線へ適度な刺激を与える全身運動も、身長を伸ばすのに効果的です。
性ホルモンの働きにより、思春期の終わり頃には身長の伸びも止まります。
ただし、成長には個人差があるため、骨端線の状態によってはまだ身長が伸びることがあります。
骨端線の確認方法はレントゲンしかなく、低身長治療の専門医に相談するのが確実です。