適度な運動は骨端線の成長を促すと考えられています
適度な運動が健康によいという認識は多くの人が持っていますが、骨端線の成長にも運動が深く関わっていると言われています。
骨端線は骨の両端にある軟骨部分になりますが、この軟骨組織に刺激が加わることで、身長の伸びが促されると考えられています。
骨端線は思春期を過ぎる前の子供だけに見られるもので、骨端線がなくなるとそれ以降身長が大きく伸びることはありません。
現代の子供は外で運動する機会が減っていると言われており、早い時期から運動に親しむ習慣が求められています。
目次
適度な運動は骨端線に良い刺激を与えると言われています
適度な運動は骨端線に良い刺激となり、子供の身長を伸びやすくするでしょう。
しかし現代の子供はスマートフォンやパソコンの普及、公園の減少などによって、昔よりも遥かに運動量が減っています。
運動をしている子、運動をしていない子の二極化が進んでいるとも言われており、子供の運動能力は全体的に低下しているとされています。
運動にもいろいろありますが、骨端線の成長を促すには走ったりジャンプしたりする動きが適していると言われているのです。
また水泳のように、全身を使った動きを要する運動も身長を伸ばす上で効果的だと考えられています。
家族そろっての軽めのジョギングも、親子間のコミュニケーションにもなるのでよいでしょう。
運動の好き嫌いや運動能力には子供によって差があるため、子供に合わせた運動を選ぶ必要があります。
とくにあまり運動習慣がない子供に対しては、はじめは軽いウォーキングやストレッチから取り組むと嫌がられることも少なくなるでしょう。
骨端線の成長を促すためだからといって、子供に運動を強要するのは避けてください。
あまりに疲労の激しい運動は骨端線に負担となり、かえって逆効果になる可能性があります。何より、子供の運動は楽しみながら取り組めることが大切です。
本来、身体を動かすことが大好きな子供は多いものです。
しかし生活環境や生活習慣の影響で、次第に運動から遠ざかってしまうケースも少なくありません。
骨端線の成長を促すには、みんなが一緒になって楽しめるような運動が理想的です。
食事の内容と睡眠の質も骨端線の成長に影響を与えます
運動の他にも骨端線の成長には必要なものが2つあります。
子供の身長を伸ばすための三大柱と言われるのが、運動、睡眠、食事です。
適度な運動は心地良い疲労感を覚えやすく、健康的な深い眠りへと陥りやすくなります。また運動した後はお腹が空くため、食欲が増進して多くの栄養素を補給する機会を与えてくれます。
骨端線にある骨芽細胞の働きを促すのが、成長ホルモンです。
成長ホルモンは眠っている間に多く分泌されるため、質の良い睡眠が子供の身長を伸ばすと言えます。
深い眠りのノンレム睡眠の時にもっとも分泌量が増えます。
骨端線が必要とする栄養素はいくつもありますが、中でもタンパク質は子供が成長していくためには欠かせないものです。
タンパク質は骨端線で骨芽細胞が新しい骨を作るための材料となる、コラーゲンを作り出します。また筋肉や血液などを作る作用もあり、子供の発育を助けてくれる栄養素です。
骨端線の成長に不安がある時は成長ホルモン治療を検討しましょう
運動、睡眠、食事といった生活習慣を整えても、子供の身長の伸びにくい時は迷わず専門医に相談しましょう。
子供の低身長を治療する専門のクリニックでは、成長ホルモンを投与する治療を行っています。
成長ホルモンはもともと体内で自然に作られるものですので、投与によって強い副作用が表れる可能性は極めて低いと言われています。
自己注射での投与になりますが、扱いやすいタイプの注射器が用いられるため、子供自身が自分で注射することも可能です。
成長ホルモン治療は子供の低身長を改善する効果が高いですが、骨端線が閉じてしまうといくら投与しても効果が得られません。
なるべく早いタイミングで専門医の検査を受け、まずは骨端線の状態を調べてみましょう。
(まとめ)運動をした方が骨端線が成長しやすい?
適度な運動は骨端線の成長を促進し、子供の身長を伸ばすのに効果的だと考えられています。
現代の子供は運動不足の傾向があるため、両親が率先して運動の習慣を身につけさせてあげるとよいでしょう。
運動は骨端線を刺激して身長を伸びやすくしますが、一方で現代の子供の運動不足が指摘されています。みんなで楽しめる運動から始めてみると、運動が習慣化しやすくなります。
激しい運動は骨端線に負担をかけることがあるため、運動量には気をつけましょう。
骨端線の成長には運動の他に、睡眠と食事が深く関わっています。
質の良い睡眠が成長ホルモンの分泌を促し、タンパク質は骨芽細胞が新しい骨を作るためのコラーゲンを作ります。
規則正しい生活習慣を実践していても、身長がなかなか伸びない場合は成長ホルモン治療を検討しましょう。
骨端線が閉鎖する前に限り効果が期待できる治療となるため、早めに専門医の診察を受けてください。