中学生になっても、ほとんどの場合、骨端線はまだ開いています


12歳~16歳にあたる中学生になっても、骨端線はまだ閉鎖していないというケースもほとんどです。
骨端線は、男子では17歳以降、女子では15歳以降に閉じるのが一般的ですが、もちろん個人差があるので一概には言えません。
女子の場合は15歳からなので、早い子だと中学3年生辺りで閉じる可能性もあります。

ただ、中学生時代は骨がもっとも成長しやすい時期でもあるので、栄養のある食事や質のよい睡眠、運動などを生活にしっかり取り入れることも大事です。

骨端線に個人差はありますが、一般的に10代後半で閉鎖します

お子さんが中学生になると、骨の成長が止まり身長がもう伸びないのでは?と心配になる親御さんもいるでしょう。

そもそも身長は、背骨や大腿骨などの骨と骨のつなぎ目にある骨端線周辺の軟骨細胞が増殖し、骨化することにより伸びていきます。
この骨端線は、子供の頃のみ開いているものです。
大人に近づくにつれ骨が成熟化して硬くなり、骨端線の両隣の骨同士が癒着するので、自然に閉鎖します。

骨端線の閉鎖時期は、男子なら17歳前後、女子なら15歳前後と一般的には言われています。そのため、12歳~16歳にあたる中学生時期は、まだ骨端線は閉鎖していない子がほとんどです。

ただし、早熟な女子の場合は15歳にあたる中学3年生で、骨が成熟しきって骨端線が閉じ、骨の成長がストップする可能性はゼロではありません。
もちろん個々の体質や体の成熟程度によって個人差は生じるので一概には言えません。

一般的に考えられている閉鎖年齢からみると、少なくとも中学生男子は骨端線閉鎖までにまだ時間的な余裕があります。

中学生期は骨端線を伸ばす絶好の機会なので、睡眠や適度な運動を心がけましょう


中学生の頃は、思春期といって子供から大人へと体が成熟し、外形的性差が見られる時期にあたります。
生殖器の発達などを促す男性ホルモンや女性ホルモンといった性ホルモンの分泌量が増え始めるでしょう。

また、骨端線の軟骨細胞は脳の下垂体から分泌される成長ホルモンの作用を受け、増殖が加速します。そしてこの成長ホルモンは性ホルモンの作用により分泌量が増えます。

つまり、中学生の時期は成長ホルモンの分泌量も上昇するため、身長を伸ばすための絶好の機会だとも言えるのです。

中学生時代にしっかり身長を伸ばすには、まず質のよい睡眠を十分に摂ることが大事です。さらに、寝付いてから3時間までに訪れる深い眠りの最中にとくに分泌量が急増するので、ぐっすり眠ることも同じように大切になります。

また、昼間部活動で汗を流すなど体を動かす運動も、筋肉から骨端線に刺激が伝わり、軟骨細胞を元気にする作用があります。
さらに、運動で体が疲れると夜しっかり眠れるなど睡眠にもつながるという利点もあるのです。

中学生で骨端線を伸ばすには、栄養のある食事も大事です

ちょうど成長期に当たる中学生の頃、骨の成長を促して身長を伸ばすには、食事から摂る栄養素も重要となります。
まず、骨の材料となるのがタンパク質です。タンパク質からは、骨の芯となるアミノ酸、コラーゲンが生成されるからです。

タンパク質は肉や魚などの動物性と大豆や小麦などの植物性に分けられます。
ただし肉のみを食べるなど偏った摂り方は肥満の原因となったり、他の栄養素の吸収を妨げたりすることになるので、注意が必要です。

さらに骨を太く、丈夫にするカルシウムや、カルシウムを骨に留まらせる作用のあるマグネシウムやビタミンDも摂取したい栄養素となります。
そして、タンパク質をアミノ酸へと変化させるビタミンB群や成長ホルモンの分泌を促す亜鉛なども必要な栄養素だと言えます。

成長期には、骨端線を伸ばすためにカルシウムさえ摂っていればよいと思われがちですが、実は違うのです。

今挙げたタンパク質を中心とする栄養素や、脳のエネルギーとなる炭水化物や糖類なども含め、栄養バランスのとれた食事をしっかりとることが中学生で骨を伸ばすのには非常に大事だと言えます。

(まとめ)骨端線は中学生になると閉じるの?

1.中学生になっても、ほとんどの場合骨端線はまだ開いています

骨端線の閉鎖は10代後半で男女によって年齢に違いがあるので、女子の場合は中学生で閉じる可能性は否めません。
中学生は成長期に当たるため骨が急激に成長し、身長も伸びやすい時期なので、骨に良い生活を送ることが大事です。

2.骨端線について個人差はありますが、一般的に10代後半で閉鎖します

骨端線の閉鎖年齢は、おおむね男女とも10代後半だと言われています。
ただし、男子よりも早熟な女子の方が少し早いので中学3年生位で骨端線が閉鎖する可能性はゼロではありません。

3.中学生期は骨端線を伸ばす絶好の機会なので、睡眠や適度な運動を心がけましょう

中学生は性ホルモンの分泌も増える思春期にあたります。
骨がもっとも成長しやすいので、骨をしっかり伸ばすためにも十分な睡眠を摂る生活が大事です。
また、適度な運動も骨端線に良い刺激となり、質のよい眠りにもつながるので生活に取り入れましょう。

4.中学生で骨端線を伸ばすには、栄養のある食事も大事です

中学生は骨が急成長する時期でもあります。
骨の材料となるタンパク質や骨を強化するカルシウム、カルシウムの吸収を促すマグネシウムなどの栄養素をしっかり食事から摂取することが大事です。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 沼倉 裕堅 医師