成長ホルモンが少ないことで肝臓などの臓器をはじめとして全身に影響を与えます
成長ホルモンは代謝と成長を司るため、足りなくなることで全身に影響を与えると考えられます。
成長ホルモンはエネルギーを作り出す役割があるため、欠乏することでコレステロールや中性脂肪が増加して動脈硬化を引き起こす可能性もあるでしょう。
さらに肝臓の働きが悪いと体に栄養が届かなくなるため成長にも影響を与えると考えられています。
目次
成長ホルモンが出なくなると肝臓にも負担がかかると考えられます
成長ホルモンは身長を伸ばすために欠かすことができないホルモンです。
さらに、体のさまざまな機能をコントロールしています。
そのなかでも大切なのが代謝機能です。
成長ホルモンには、体のなかの物質をエネルギーとして使えるように変換する役割があります。
そのため、成長ホルモンは成長期の子どもだけでなく、生涯を通じて必要なホルモンと言えるでしょう。
成長ホルモンが出なくなると代謝に関わるさまざまな症状が現れます。
その一つがコレステロールの増加です。
成長ホルモンは脂肪を分解し、肝臓のコレステロールの取り込みを促すことで血中のコレステロールを増加させる働きがあると言われています。
しかし、成長ホルモンが出なくなるとコレステロールや中性脂肪が増えて動脈硬化の原因になると考えられます。
成長ホルモンは子どもの骨を伸ばすだけでなく、大人の骨を健康にする役割もあります。
成長ホルモンが少なくなると、骨が弱くなって骨折したり骨粗鬆症になりやすくなったりするとも言われています。
疲れやすさを感じるほか、体重や体脂肪が増えたという人は成長ホルモンの分泌に問題があるかもしれません。
まずは病院で検査を受けるようおすすめします。
肝臓は身長を伸ばすためにも大切な役割を担っています
身長を伸ばすためには成長ホルモンだけ豊富であればいいわけではありません。
あまり知られていないのが肝臓の役割です。
はじめに身長が伸びるメカニズムから説明します。
まず視床下部から成長ホルモン放出ホルモンが作られて下垂体に送られるところから始まります。
下垂体ではホルモンの刺激によって成長ホルモンが分泌されて、肝臓などの組織に送られます。
成長ホルモンに反応した組織が作り出すのがソマトメジンCという物質です。
ソマトメジンCは骨の中心となる部分を刺激して成長させます。
その結果として骨が伸びて身長がアップするのです。
身長が伸びないということはこのサイクルのどこかで問題があるということです。
肝臓や内臓の機能に問題があると、ソマトメジンCを作ることができなくなり、身長の伸びにも影響を与えると考えられます。
さらに、臓器に病気があれば体に十分な栄養を取り込むことができず、身長の伸びにも良くないでしょう。
低身長の検査で、今まで気付かなかった臓器の病気が見つかることもあります。
そのような場合は、最初に臓器の治療がおこなわれます。
臓器が良くなるにつれて身長も伸びていくことが期待できるでしょう。
身長が伸びない原因は病気のほかにもあります
同年代の子どもと比較して身長が低い場合、さまざまな可能性があります。
背が伸びない原因として考えられるのはどのようなものでしょうか。
成長ホルモンなど身長に関係するホルモンの分泌が少ない成長ホルモン分泌不全性低身長症が原因の可能性があります。
成長に関係する染色体の欠損や突然変異による病気も低身長の原因です。
さらに骨や軟骨に異常があって成長に支障をきたすケースや、臓器の異常が原因で身長が伸びないケースも考えられます。
身長は本人の体質や、家族からの遺伝によって左右されると言われています。
思春期遅発症といって、周囲の子どもよりも思春期が遅いことで身長が伸び悩むケースもあります。
このケースの場合は思春期が到来すれば急激に身長が伸びると考えられます。
子どもの成長には十分な愛情も欠かすことができません。
虐待やネグレクトで十分な愛情を感じられない子どもは発育が停滞することがあります。
上記以外にもSGA低身長症などいろいろなケースがあります。
身長が伸び悩む原因を調べるには病院で検査するほか、成長曲線をつけて生活習慣などを客観的にみる必要があります。
(まとめ)成長ホルモンの分泌が少ないと肝臓にも影響があるの?
肝臓は身長を伸ばすために必要な物質を作り出す臓器です。
肝臓などの臓器に異常があると身長が伸び悩むことがあります。
成長ホルモンが正常に分泌されることで臓器がスムーズに働き、成長や代謝がおこなわれるのです。
成長ホルモンが減少すると肝臓にも負担がかかります。
成長ホルモンには代謝を促す役割があり、コレステロール値や中性脂肪の値を下げると言われています。
成長ホルモンは一生必要です。
分泌に不安がある場合は、医師の診察を受けましょう。
肝臓は身長を伸ばすために重要な役割を担っています。
肝臓に限らず重要な臓器に臓器に異常があると、身長の伸びに影響を与えると考えられています。
そのような場合は、臓器を治療することで低身長へ対処することになるでしょう。
身長が伸びるためには成長ホルモンのほか、骨や臓器が正常に機能する必要があります。
さらに子どもの体質や遺伝によっても身長は変わるでしょう。
低身長症の検査はこれらの項目を総合的に判断しておこなわれます。