成長ホルモンの働きで作られるソマトメジンCは骨を刺激することで身長を伸ばすと言われています。


ソマトメジンCは骨を刺激することで身長を伸ばす働きがあると言われています。

子どもの骨の両端には骨端線という軟骨部分があります。
軟骨部分が成長して骨が伸びるのというのが、身長が高くなるメカニズムです。

身長が伸びるのは、他にも甲状腺ホルモンや性ホルモンが影響します。
適度な運動や食生活でホルモンが適度に分泌されるようにしましょう。

ソマトメジンCは骨を刺激することで成長を促すホルモンです

子どもの成長や発達に成長ホルモンは大きく関わっています。
しかし、成長に関わるホルモンはそれだけではありません。

成長をサポートするホルモン分泌の仕組みを簡単に紹介します。
まず睡眠や運動によって、脳の視床下部で成長ホルモン放出ホルモンとソマトスタチンが作られます。
すると、成長ホルモン放出ホルモンは下垂体に送られます。

成長ホルモン放出ホルモンが下垂体を刺激することで成長ホルモンが分泌されるのです。
さらにこの成長ホルモンは、血流によって肝臓などの組織に送られます。

体の組織が成長ホルモンに反応することで作られる物質がソマトメジンCです。
ソマトメジンCは骨の成長の中心になる部分を刺激して成長させます。

その結果骨が伸びて、身長がアップするのです。

身長が伸びるメカニズムはどこかに支障があると、成長に影響を与えると考えられています。成長ホルモン放出ホルモンが作られないケースや、下垂体で成長ホルモンが作られないケースもあります。

このような場合はホルモン補充などの治療がおこなわれるのが一般的です。

ソマトメジンCの値を見ることで成長ホルモンが分泌されているかどうかがわかります


ソマトメジンCの値は身長が低い子どもを対象とした病院の検査でも調べることができます。

お友達と比べて身長が低いなど、子どもの成長や発達が気になる人は少なくありません。
そのような場合は、まずさまざまな検査をおこなって、多角的に身長が伸びない原因を探ります。

身長が低い場合におこなう検査を紹介します。

成長曲線

初診ではまず、正確に成長曲線を描きます。
子どもの身長の推移をグラフにすることで身長の伸び方を分析することができます。

手のレントゲン

身長が伸びていないということは、骨が伸びていないと考えられます。
そこで手の骨をレントゲンに取ることで発育の度合いを確かめます。

血液検査

血液検査の結果でも特に重要視されるのがソマトメジンCの値です。
成長ホルモンが十分に分泌されていれば、肝臓や組織に成長ホルモンが行き渡ります。

分泌された成長ホルモンが届くことで、ソマトメジンCが作られます。
つまり、ソマトメジンCの値を見ることで成長ホルモンが分泌されているかどうかを知ることができるのです。

身長を伸ばすためには成長ホルモンのほか、甲状腺ホルモン、性ホルモンの働きが重要です

子どもの成長に必要なホルモンは成長ホルモンだけではありません。
甲状腺ホルモンや性ホルモンの分泌も健やかな成長に欠かせないものです。

甲状腺ホルモンは喉にある甲状腺から分泌されるホルモンです。
骨を成長させる働きがあり、細胞の新陳代謝を活発にしたり、成長ホルモンの分泌を促したりする役割を果たしています。

さらに、性ホルモンは思春期の身長の伸びと関係しています。
思春期になると、成長するスピードが急激に速くなります。

これを成長スパートと呼び、男子なら13歳、女子なら11歳がこの年齢にあたります。
成長スパートを過ぎると成長速度は緩やかになり、やがて成長が止まります。

この時期の成長には性ホルモンが大切な働きをしています。
骨を成熟させて身長の伸びを止めているのも性ホルモンの働きだと考えられています。

これらのホルモンは睡眠や運動、普段のストレスなどが複雑に関係して影響していると言われています。適度な運動や十分な睡眠は活発なホルモン分泌に欠かせません。

さらに、骨や肉になるタンパク質やカルシウムなどをバランスよく食べることが、子どもの成長を助けるために必要です。

(まとめ)成長ホルモンとソマトメジンCが身長を伸ばす?

1.成長ホルモンの働きで作られるソマトメジンCは骨を刺激することで身長を伸ばすと言われています。

成長ホルモンは脳の下垂体から分泌され、肝臓や組織に送られます。体の組織が成長ホルモンに刺激されることで、骨を伸ばすソマトメジンCという物質が作られるのです。
低身長原因を探るためには、このシステムが適切に稼働しているか調べる必要があります。

2.ソマトメジンCは骨を刺激することで成長を促すホルモンです

成長ホルモンは脳の視床下部で分泌されるホルモンの働きで放出されます。成長ホルモンが体の組織に送られるとソマトメジンCが作られて、骨の成長が促されます。
身長が伸びるためには、このシステムがスムーズに働いてることが大切です。

3.ソマトメジンCの値を見ることで成長ホルモンが分泌されているかどうかがわかります

身長や発育の遅れを気にして病院に相談した場合、必ず血液検査が行われます。結果の中でも特に重要視されるのがソマトメジンCの値です。
ソマトメジンCの値によって成長ホルモン分泌されているかどうかを知ることができるのです。

4.身長を伸ばすためには成長ホルモンのほか、甲状腺ホルモン、性ホルモンの働きが重要です

身長を伸ばすためには成長ホルモンのほかにも、甲状腺ホルモン、性ホルモンの働きが必要です。甲状腺ホルモンは骨の成長をサポートし、性ホルモンは思春期の成長に欠かせません。
適度な運動やバランスの良い食事でホルモンバランスを整えるようにしましょう。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
住所 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-21-3 新宿大京ビル7階
お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師