子供の成長に補助食品は効果がありません
2013年日本小児内分泌学会にて「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されている補助食品についての見解が発表されました。
成長ホルモンを分泌する物質を含む補助食品やカルシウム、鉄、ビタミンDを含む補助食品などは効果がないとされています。
ただしビタミンD欠乏性くる病などの場合、補助食品によって栄養が補われるため成長が正常に回復すると言われています。
目次
子供の成長に対して、成長ホルモンの分泌を促進すると宣伝している補助食品では効果が期待できません
2013年日本小児内分泌学会にて科学的立場から補助食品に関する見解が発表されています。
その見解の中で、成長ホルモンの分泌を促進すると宣伝している補助食品は身長が伸びるなどの科学的な根拠データを示すものはないと結論付けています。
成長ホルモンの分泌を促進させる物質として「アルギニン」が有名です。
このアルギニンとはアミノ酸の一つで、体内で成長ホルモンの分泌促進や免疫力向上などに関係していると言われています。
しかし補助食品には、アルギニンは多くても1~2g程度しか含まれていません。
成分のほとんどが吸収されるため、血中のアルギニンの濃度はわずかしか上昇しないと考えられています。
もし血中の濃度が上がったとしても、本来の生理的変動の可能性が高いと考えられています。
他の物質も信頼できるような学術誌に報告されたことがなく、学問的根拠がないと言われています。
そのため、さまざまな効用をうたっていても補助食品では身長を伸ばす効果は期待できません。
栄養素を補う補助食品では、栄養不足を補うことが期待できまます
栄養要素の不足により成長を阻害されている場合があります。
例えば、乳幼児期に発症する「ビタミンD欠乏性くる病」はビタミンDを補うことで成長が正常に回復すると言われています。
骨や歯をつくる栄養素です。
日本人の食生活では最も不足しやすいと言われています。
血液をつくり、酸素を身体全体に運ぶ役割があります。
不足すると「鉄欠乏性貧血」になる可能性があります。
他の栄養素の働きを助ける役割があると言われています。
特に不足しやすいのがビタミンA・B群・Cです。
整腸作用があると考えられています。
腸内環境の悪化により、さまざまな病気を引き起こす可能性があります。
基本的には1日3食をしっかり栄養バランスを考え食べる事が大切です。
朝食を抜いたり、ファーストフードなどの食事が多くなったりすると、栄養のバランスが崩れすぐに不足しやすくなります。
子供の場合、食事だけで全ての栄養を補うことは難しいため、おやつの時間にお菓子ではなく不足している栄養を補うことが理想的です。
例えば果物やヨーグルト、チーズ、野菜サンドなどをおやつにして摂り入れてください。
それでも不足する場合は、栄養素を補う補助食品を取り入れるようにしてください。
ただ栄養補助食品は栄養素を補うためのアイテムであって、成長を促進するという科学的データはありません。
専門の医療機関で診察を受けることが大切になります
何を目的に補助食品を使用するかが大切なポイントになります。
例えば純粋に足りない栄養を補うことが目的であるなら、栄養素を補う栄養補助食品を使用することは効果的であると考えられます。
しかし、身長を伸ばしたいなど成長を促進させることが目的であるなら、補助食品では効果が期待できないと言われています。
子供の成長に悩む場合、専門の医療機関で診察を受けるようにしましょう。
専門の医療機関で診察を受けることによって、何が原因で成長を阻害しているのか検査することができます。
原因によっては、成長ホルモン剤の注射などを投与する治療などを行うことができます。
要因や状態によって行う治療法などが変わるため、早めに専門の医師に相談するようにしてください。
(まとめ)子供の成長に補助食品は効果があるの?
日本小児内分泌学会にて「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されている補助食品について効果がないとの見解が発表されました。ただしビタミンD欠乏性くる病などの場合、栄養を補うことで成長が正常に回復すると言われています。
成長ホルモンの分泌を促進すると宣伝している補助食品は身長が伸びるなどの科学的な根拠やデータを示すものはありません。補助食品には成長ホルモンを促進する物質が少量しか含まれないため、子供の成長を促進する効果は期待できないと考えられています。
栄養要素の不足により成長を阻害されている場合は、補助食品で補うことで成長が正常に回復すると言われています。バランスのいい食生活を心がけるようにしましょう。
補助食品で成長を促進するという科学的データはありません。
栄養を補うことが目的であるなら、栄養補助食品は効果が期待できます。身長を伸ばすなど成長を助けることが目的であるなら、補助食品は効果がないと考えられています。
成長にお悩みの場合は、専門の医療機関に相談してみましょう。