成長期には性ホルモンも関係するため男女差が生じるとされています


成長期は、子供の身長が伸びる大切な時期です。実は成長期には、男の子と女の子でさまざまな違いが生じます。

成長期は、5歳までの「乳児期」・12歳までの「学童期」・16歳までの「思春期」に分かれます。

この乳児期と学童期には大きな男女差がないのですが、思春期になると性ホルモンの影響が出るために差が生じるといえるでしょう。

成長期には女の子の方が早く身長が伸びます

子供の身長は、一般的に0歳から約16歳までの成長期に伸びるとされています。成長期を過ぎると身長の伸びは止まるのですが、女の子の方が早く身長が伸びて成長が止まるとされます。

一般的に成長のスピードは、一次成長期と第二次成長期に急激に伸びることがわかっています。第1次成長期は0歳から5歳位までの間で、5年間で約50cm身長が伸びるといわれています。

第二次成長期は学童期後半から思春期の約5年間です。その後学童期にペースがゆるくなっていた身長の伸びが、思春期に入り急激に増加してから身長が止まるという流れで身長が伸びることになるでしょう。

この思春期の急な身長の伸びは、成長のスパートといわれています。女の子は11歳頃にスパートが始まり、1年で約8cm伸びるといわれるピークがやってきます。

対して男の子のスパートは12歳を超える頃からとされています。女の子は13歳を過ぎた頃にはもう身長の伸びが止まりかけている段階ですが、男の子はまだこれからが伸びる時期といえるでしょう。

男の子はスパートには1年に10cmといわれるペースで身長が伸び、一般的にはそのピークから2、3年で成長が止まるといわれています。

成長期の男女差の原因は性ホルモンにあります


成長期はその特徴により3つの時期に分けられ、それぞれの時期で身長が伸びる原因が異なります。乳児期の身長の伸びは栄養の取り方によって決定し、学童期の身長は主に成長ホルモンによって伸びるとされています。

そのため学童期の前半までは男女の区別がない身長の伸び方をしているといえます。身長にもとくに大きな男女差が生じないといえるでしょう。

ところが思春期が近くなると徐々に性ホルモンの分泌量が多くなります。その性ホルモンには男女による違いがあるため、ここで男女差が生じます。

思春期に生じる身長スパートは、男女ともに女性ホルモンのエストロゲンが関係しているといわれています。エストロゲンは、成長ホルモンの分泌を促進させる働きとともに、骨の成熟度も促進させる働きがあります。

骨が成熟して大人の骨になると、もうそれから身長が伸びることはありません。エストロゲンが分泌される時期が遅い男の子の方が、骨が成熟しにくいために身長が止まりにくく、背が高くなるといえるでしょう。

身長の伸びは成長曲線を参考にできます

男の子と女の子では成長曲線にも違いがあります。子供の成長の伸びには、それぞれ個人差はありますが、年齢に応じた平均身長の伸びは成長曲線を参考にすることができます。

成長曲線では、標準の身長から±1SD、 ±2SDの範囲までが記載されています。成長曲線の-1SDよりも小さい場合にはまだそれほど身長を問題視されることはありませんが、2年以上-1.5SD以下のままでは要注意とされています。

また-2SDから外れているなど平均身長との差が大きい場合には、病気が原因ということも考えられるので、早めに専門の医師へ相談した方がよいでしょう。

身長が低いだけでなく、思春期が早く訪れたかような身長の伸びがみられた場合にも注意が必要です。

女の子なら11歳、男の子は13歳頃といわれる身長のピークですが、このピークが男女それぞれ2~3年程早くに出ている場合には、「思春期早発症」可能性があります。

思春期早発症では、早い時期に身長が伸び、体が成熟して、背が十分に伸びず身長の伸びが止まるとされています。

男女の年齢による身長の伸びの違いを把握し、気になる点が見つかったときには早めに専門の病院で診断を受けた方がよいでしょう。

(まとめ)成長期に男女差はあるの?

1.成長期には性ホルモンも関係するため男女差が生じるとされています

成長期は「乳児期」、「学童期」、「思春期」の3種類に分かれています。このうち乳児期と学童期には男女差が少ないのですが、思春期には男女差が表れるようになるでしょう。

2.成長期には女の子の方が早く身長が伸びます

子供の身長は乳児期の第一時成長期と思春期の第二次成長期に大きく伸びるとされています。一般的には、第二次成長期は女の子の方に早く訪れるため、身長の伸びも早く、男の子の身長の伸びはそれに遅れる形になっています。

3.成長期の男女差の原因は性ホルモンにあります

成長期は乳児期と学童期、思春期の3つの時期に分けられます。 昼食には栄養の取り方、学童期には成長ホルモンによって、思春期には性ホルモンの影響で身長が伸びるとされています。そして大人の骨になり成長が止まる原因も性ホルモンの影響です。

4.身長の伸びは成長曲線を参考にできます

男の子と女の子では身長の伸び方が違うため、成長曲線にも違いがあります。男女それぞれの年齢に応じた身長の伸び方は成長曲線を参考にしましょう。身長が低いだけじゃなく、早期に背が伸びた場合にも、体に問題が生じている場合があります。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
住所 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-21-3 新宿大京ビル7階
お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師