成長期の子供の骨には成長軟骨が存在しています
成長期の子供の骨には、骨一本一本の両先端部分に「骨端線(こったんせん)」という軟骨の部分があります。子供の身長が伸びる時には、この骨端線の部分で骨が長く伸びるといわれています。
骨端線のこの成長軟骨には、成長期の間ずっと骨を伸ばす役割があります。ところが成長期が終わると骨全体が固い骨になって軟骨部分がなくなり、骨の伸びも止まります。
目次
骨が伸びるときにはまず軟骨が作られます
骨の長さは骨端線にある軟骨が作られることで伸びるとされています。この骨端線に、脳下垂体から分泌される成長ホルモンが働きかけると骨の伸びにつながります。
成長ホルモンが骨端線を刺激すると、骨端線に成長軟骨が作られます。その軟骨が固くなって骨に置き換わる骨化現象によって、骨の長さが伸びていき、身長も徐々に高くなっていくでしょう。
軟骨はたんぱく質から作られるコラーゲンでできています。そして成長ホルモンはアミノ酸や亜鉛などから作られているので、成長ホルモンを作る材料としてこれらの必要な栄養素をきちんと摂取するようにしましょう。
成長ホルモンは夜睡眠中に分泌されるので、夜更かしをしないで睡眠時間をしっかりとることも大切です。ほかにも適度な運動をすることが成長ホルモンの分泌促進につながるとされています。
身長を伸ばすためには、成長期の骨に成長ホルモンが作用するように日常生活に気をつけることが大切といえます。
ただし軟骨や成長ホルモンの材料となるものだけを食べていては栄養バランスが崩れて、身長が伸びない恐れもあるので注意が必要です。
成長期が終わると骨端線が閉じて身長の伸びが止まります
成長期は、3つの時期に分かれています。4歳位までの乳幼児期、4~12歳頃までの学童期、12~16歳位の思春期で、それぞれの時期の特長や身長の伸び方はそれぞれ異なっています。
生まれてすぐからの乳児期には、栄養の摂取状況で赤ちゃんの身長の伸びが決まります。そして次は学童期になり、学童期はだいたい小学生時代で、成長ホルモンの影響で、身長が急激ではなく安定して身長が伸びる時期とされています。
12歳頃から始まる思春期が成長期最後の時期で、この時期には成長のラストスパートといわれる身長の大きな伸びがくるでしょう。
1年間で男の子は約10cm、女の子は約8cmの伸びが見られるこの時期が過ぎると、あとは骨端線の軟骨が固くなって骨になります。
骨端線の成長軟骨がなくなって閉じてしまうと、それ以降はもう身長が伸びなくなります。もっと身長を伸ばしたいというときには、できればこの成長のスパートが生じる前に専門の医師に相談をするようにしましょう。
身長を伸ばすにはより早い時期の方が改善が期待できます
身長が順調に伸びているかどうかは、成長曲線で確認することができます。成長曲線上に身長を書き入れると、年齢に対して成長曲線の中のどのくらいの身長になっているべきかがすぐにわかるでしょう。
成長曲線の標準的な範囲より身長が小さい人は全体の2~3%程といわれています。もし成長曲線の標準範囲と比べて、その範囲よりも下になっていた場合には、成長ホルモンの分泌不全・骨や軟骨の病気・心臓や肝臓などの病気のために身長が伸びていないのかもしれません。
成長曲線の標準範囲内であっても、成長期の終わりまではまだ先なのに、急に身長が伸びなくなったという場合には気をつけましょう。いつの間にか病気にかかってしまっているという場合もありえるでしょう。
子供のときに成長軟骨を骨折した場合には注意が必要です。もし骨の伸びが関係している骨端線を骨折した場合には、成長軟骨が傷み、その後の骨の成長に問題が出てしまう恐れがあります。
病気などがなくても、環境的な要因や遺伝・ホルモン量などの問題のために身長が伸びていないこともあります。何か気になることがあったら、早めに専門の医師に相談しましょう。
(まとめ)成長期には軟骨が骨を伸ばす?
成長期の子供の骨には骨の先端部分に「骨端線(こったんせん)」という軟骨の部分があり、骨端線が骨の長さを伸ばす場所になっています。
成長期が終わると骨端線がなくなり、骨の伸びも止まります。
骨の長さは、骨端線にある軟骨が作られてから、その軟骨が固い骨に変わることで伸びていきます。
成長ホルモンの働きがなければ骨端線に軟骨が作られることがないため、成長ホルモンの分泌を増加させる工夫も必要です。
成長期は3つの時期に分かれているといわれています。
4歳位までの乳幼児の時期や12歳位までの学童期、そして16歳位までの思春期が終了する時には、骨端線の軟骨が固くなり軟骨から骨に変わるとされています。
身長が順調に伸びているかどうかは成長曲線で確認することができます。身長の伸びの問題点などからさまざまな病気が隠れている恐れがあるかもしれません。
病気でなくても環境やホルモンなどに問題があるかもしれないので、早めに専門の医師に相談しましょう。