子供の体は全体が一斉に成長していくのではなく、成長に従って体の各器官や機能が別々に発達していきます。
子供の体は全体が一斉に成長していくのではなく、成長に従って体の各器官や機能が別々に発達していきます。
そのため、子供の体には、年齢によって未発達な部分と成長している部分があるのです。
子供の体の成長過程と、すこやかに成長していくために重要な要素について解説します。
低身長症におけるホルモン治療
子供の体が、どのように成長していくのかを、 3 つの年代に分けて見ていきましょう。
まず始めに発達していくのは神経系です。
神経系は、生まれた直後から急激に成長し、 4 ~ 5 歳くらいになる頃には成人の約 80 %に達しています。
そして、 12 歳になる頃には、ほぼ 100 %の成長を遂げます。
特に、 5 ~ 8 歳頃は神経系が著しく発達する時期。
この時期は、好奇心が旺盛で次々に興味の対象が移り変わっていくので、一見集中力が散漫な印象を受けます。
しかし、これは神経回路にさまざまな刺激を与えることで、回路をより多様に張り巡らせようとする自然な欲求の現れなのです。
中学生の時期に特に大きく発達するのは、身長や体重といった骨格や、呼吸器、循環器、消化器などの臓器です。
子供の身長は、生後 1 年間で約 1.5 倍ともっとも大きく成長し、 4 歳頃に産まれたときから約 2 倍にまで成長すると、その後は伸び率が低下します。
再び身長が大きく伸びるようになるのが、小学校高学年~中学生の時期です。
また、この時期は呼吸器や循環器が発達することで、運動するときの持久力も身につきます。
高校生になると、睾丸、卵巣、副睾丸、子宮、前立腺などといった生殖器が著しく発達し、体つきもほとんど大人と変わらないくらいになります。
すこやかな成長のための 3 大ポイント
子供がすこやかに成長していくためには、「睡眠」「食事」「運動」という 3 つの重大な要素があります。それぞれのポイントを見ていきましょう。
睡眠中は子供が成長する上でもっとも重要な役割を果たす「成長ホルモン」が活発に分泌されます。
「寝る子は育つ」というのは、そのためです。
特に、成長ホルモンがたくさん分泌されるのは、眠りに入ってから 2 時間くらいまでの 1 番深い眠りのときです。
ここでしっかりと成長ホルモンを分泌させるためには、早寝早起きを心がけ、規則正しい生活リズムを作っていくことが大切です。
子供のすこやかな成長には、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養素をバランスよく摂取することも重要です。
好き嫌いをせず、いろいろなものが食べられるように調理方法や盛りつけ方などを工夫してあげましょう。
神経系が発達する小学生の時期に、運動をして手足や体全体を動かすことで、子供のバランス感覚やリズム感などが発達します。
また、呼吸器や循環器が発達する中学生の頃は、有酸素運動をたくさんとり入れると心肺機能が高まり、持久力が身につきます。
さらに、高校生になると、生殖器が発達して筋肉を強化する男性ホルモンの分泌が増えるので、筋力トレーニングなどをとり入れるのもいいでしょう。
ただし、これは一般論なので、「この時期にこれをしなくてはならない」ということではありません。
本人が楽しんで取り組める運動をするのが一番です。