アルコールは成長ホルモンの分泌に悪影響を与える成分です
未成年がアルコールを飲んではいけない理由の一つに、アルコールが成長ホルモンの分泌を阻害する可能性があることが挙げられています。
アルコールが分解されるときにできるアセトアルデヒドという毒素が神経を刺激し、眠りを浅くしてしまうことが原因だと考えられています。
アルコールは性ホルモンにも悪影響を与える可能性があるため、子どもの飲酒は成長の妨げになるといってよいでしょう。
目次
アルコールを飲むとアセトアルデヒドという毒素が生成されます
未成年者の飲酒は法律で禁止されています。それには、きちんとした理由があります。
まず、子どもの身長を伸ばすのに欠かせないといわれる「成長ホルモン」の分泌を阻害すると考えられています。
成長ホルモンは脳の下垂体から分泌され、骨の成長を促す働きをもっています。
成長ホルモンは睡眠時に多く分泌されると考えられており、特に眠り始めの3時間に訪れる深い眠りのときにその量は顕著になるといわれています。
そのため、成長ホルモンを分泌させるには深い眠りを充分にとることが大切といえます。
しかし、アルコールを飲むと、アルコールの分解によって生成される「アセトアルデヒド」という毒素の作用で神経が刺激され、眠りを浅くしてしまう可能性があります。
眠りが浅くなると、目を覚ます回数やトイレに起きる回数が増え、成長ホルモンの分泌の妨げになるといえるでしょう。
また、アルコールだけでなく、甘いものや炭水化物にも成長ホルモンの分泌を抑制する働きがあるといわれています。そのため、寝る直前にご飯を食べたり間食したりすることは子どもの成長にとって良くないと考えられています。夕食や間食は寝る2~3時間前までに済ませておくことが理想的です。
子どもがアルコールを飲むと二次性徴や脳の発達に悪影響を与えます
子どもがアルコールを飲むことは、成長ホルモンの分泌を阻害する恐れがあるだけでなく、性ホルモンの分泌にも悪影響を及ぼすと考えられています。
性ホルモンは二次性徴に直接的にかかわっているホルモンですから、アルコールを飲むことで性腺機能障害を起こす可能性が高まります。
アルコールを過度に飲み続けると、男子はインポテンツに、女子は生理不順や無月経になってしまう恐れがあります。これは、成人でも起こり得ることだといいます。成長過程であればなおさらリスクは高くなるでしょう。
マウスによる実験でも、アルコールを与え続けたマウスには男性ホルモンの値が低い、生殖器のサイズが小さいなどの結果が出ているといいます。
この実験からも、子どもがアルコールを摂取することで二次性徴に遅れが生じる可能性があると考えられています。
子どもがアルコールを飲むことは、脳の発達に悪影響を及ぼす可能性もあります。また、精神面にも影響を与え、「アルコール依存症」になってしまうことさえあるといいます。
アルコール依存症は、成人よりも未成年の方が発症しやすいと考えられています。
最悪の場合、死に至る可能性もあるため、子どもに飲酒させることは絶対にやめましょう。
低身長症は成長ホルモン治療が有効です
子どもの成長にはさまざまな要素が関係していますが、子どもに著しい低身長症がみられる場合、その原因は専門家でないとわからないことが大半です。
成長ホルモンの分泌が不足することで起こる「成長ホルモン分泌不全性低身長症」では、突発性の場合には原因不明であるケースも多いといいます。
器質性のものの場合、先天的なものと後天的なものに分けられますが、いずれにしても成長ホルモン治療を受けて改善していくことが可能です。
子どもにアルコールを与えないことや質の良い睡眠をとらせることも大切ですが、特定の疾病が原因で低身長症になっている場合には、早期に成長ホルモン治療を開始することが奨められています。
成長ホルモン治療は、思春期が終わるころには充分な効果が期待できないと考えられているからです。成長ホルモン治療を受けるためには、病院で検査や試験などを行う必要があります。
子どものコンプレックスを解消するためにも、一度病院を受診してみてください。
(まとめ)アルコールが成長ホルモンの分泌に悪影響を与える?
アルコールは成長ホルモンの分泌に悪影響を与えるといわれています。アルコールの分解でできるアセトアルデヒドという毒素により、眠りが浅くなってしまうことが原因だといいます。
子どもの飲酒は成長を阻害する恐れがあるということです。
アルコールを飲むと、アセトアルデヒドという毒素が生成され、この成分が神経を刺激し、眠りを浅くしてしまうといいます。成長ホルモンの分泌は深い眠りの時にさかんに行われると考えられているため、子どもの飲酒は成長の妨げになる可能性が高いです。
子どものアルコール摂取は。性ホルモンの分泌にも悪影響を与え、二次性徴に遅れを生じさせる可能性があるといいます。また、脳の発達や精神面にも悪影響を及ぼす可能性が高まり、アルコール依存症になってしまう場合もあると考えられています。
成長ホルモン分泌不全性低身長症など子どもの低身長症は、成長ホルモン治療を受けることで治療することが可能です。治療には検査や試験などが必要となりますから、まずは病院を受診することをおすすめします。