成長ホルモンが分泌される量のピーク時間は夜眠っているときです
成長ホルモンは脳の下垂体から分泌される、小児期の成長の伸びに大きく関係しているホルモンです。
成長ホルモンの分泌には運動や睡眠などが必要不可欠と言われていますが、特に分泌量が盛んになるのは睡眠時になります。
眠りについてから数時間後くらいの深い眠りについているときが成長ホルモンの分泌量が多い時間帯です。眠りが浅いときには成長ホルモンの分泌量は少なくなると言われています。
目次
成長ホルモンが充分に分泌される要因とピーク時間をチェックしておきましょう
成長ホルモンは睡眠や運動などの刺激を受けた視床下部が生成する成長ホルモン放出ホルモンの働きを受けて、脳下垂体から分泌されます。
脳下垂体から分泌されたあとは、血の流れに乗って肝臓や骨など各組織に送られ、細胞分裂を促進する成長因子IGF-1を生成して小児期の骨の伸びや、丈夫な骨、筋肉、皮膚を作る働きをしているのです。
成長ホルモンは1日の中でも、特に眠っているときに多く分泌されているので、背が伸びている最中の小児期の子どもは充分な睡眠をとる必要があります。
深い眠りについているときほど、より多く分泌されるので、睡眠時間を充分にとるだけでなく、ぐっすり眠れるような質の高い眠りにつけるように気をつけましょう。
睡眠時には浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠が繰り返されています。とくに眠ってから3時間位に成長ホルモンの分泌がピークになり、成長が促進される時間帯といえます。
成長ホルモン分泌量が多いピーク時間は22時から翌2時で、22時から翌2時までぐっすりと眠ることで身長が伸びやすくなるともいわれています。
成長ホルモンの分泌を促し、身長を伸ばすためには生活習慣の見直しも必要です
骨を伸ばして成長を促進させるために大切な役割を果たす成長ホルモンの分泌量は、毎日の生活習慣によっても変化します。
成長ホルモンは1日中分泌されていますが、日中は分泌量が少なく、夜の寝ているときに分泌量が多くなります。
低血糖のときやアミノ酸を含む食べ物を食べた後、運動でも成長ホルモンの分泌量は増加します。
成長ホルモンの分泌を増加させて身長の伸びを改善させたいという場合には、成長ホルモンの分泌が多い夜にしっかりと睡眠をとることが大切です。
また、日中は運動をして成長ホルモンの分泌を促進させて、必要な筋肉もつけるなど健康的な生活を送ることも同時に行うとより効果的でしょう。
身長を伸ばすためにはバランスの良い食事をとることも大事です。
アミノ酸を含む肉や魚などのタンパク質は、成長ホルモンの分泌を促進して身体を作るために必要になります。
ほかにも、強い骨を作るためのカルシウムやエネルギーとなる炭水化物など、さまざまな栄養素をバランスよくとることでより身長が伸びやすくなります。
成長ホルモンの分泌が少ない場合に改善するための方法もあります
成長ホルモンの分泌量は通常は寝ている時間帯に多くなりますが、成長ホルモンを分泌する脳下垂体に問題がある場合などには成長ホルモンが正常に分泌されないことがあります。
成長ホルモンが充分に分泌されないことで低身長の症状が現れている場合には、「成長ホルモン分泌不全低身長症」といわれ、成長ホルモン製剤の投与で低身長の症状の改善が期待できます。
他にもSGA性低身長症やターナー症候群、骨や軟骨の異常、内臓疾患、生活環境によるストレスなどから低身長の症状が出る場合があり、これらの原因にも成長ホルモン製剤の投与で身長の伸びの改善が望めます。
成長ホルモンの分泌量に関係した低身長の場合、病院で診断された症状によっては保険が適用される場合もあります。
また、骨年齢が進み大人の骨になると、身長の伸びは止まってしまいます。成長ホルモン製剤はこの成長が止まる前までしか使用することができません。
小児期の早い時期から治療を始めた方が身長の伸びが改善されやすいため、身長の伸びが気になる場合には早めに病院で診断してもらうといいでしょう。
(まとめ)成長ホルモンが分泌されるピーク時間はいつ?
成長ホルモンは小児期の成長の伸びに大きく関係しているホルモンです。成長ホルモンの分泌には運動や睡眠などが関係していて、睡眠時の特に深い眠りについているときに分泌量が多くなっています。
成長ホルモンは睡眠や運動などの刺激を受けて分泌されています。成長ホルモンによって生成される成長因子のために小児期の骨が伸びたり丈夫な身体が作られるのですが、夜22時から翌2時までのぐっすり眠っている時に身長が伸びやすいといわれています。
骨を伸ばして成長を促進させるために大切な成長ホルモンの分泌量は毎日の睡眠や運動、食事などにより変化してきます。充分な睡眠をとることや適度な運動をすること、アミノ酸を含む食品を摂取するなどのことを心がけることで身長の伸びも改善されます。
成長ホルモンを分泌する脳下垂体に問題があるなどの理由で充分な成長ホルモンが生成されない場合、平均よりも身長が低くなる低身長症という症状が出ることがあるでしょう。低身長症には成長ホルモン製剤での改善が期待できる場合があります。