成長ホルモンにより子どもの骨の軟骨細胞が増え、それを元に骨形成が進みます


成長ホルモンが直接骨を伸ばしているのではなく、子どもの骨が伸びるために必要な軟骨細胞の増殖を促す働きをしています。
軟骨細胞が増えて硬くなると骨が伸び、その分身長の伸びにつながることから、軟骨細胞は骨形成の元になると言えます。

そして骨形成と関係する成長ホルモンを十分分泌されるには日頃の生活習慣が大きく関わっており、睡眠・食事・運動を健康的な内容にすることが必要です。
しかし生活習慣の改善をしても身長がなかなか伸びない時には、整形外科を受診する方法もあります。

軟骨細胞は骨形成の元になる物です

子どもの骨には骨端線という骨を伸ばすための軟骨細胞でできた部分があります。
骨端線で軟骨細胞の増殖がスムーズに行われて硬くなると骨形成につながって、子どもの身長を伸ばすことになるのです。

骨形成の元になっている骨端線は子どもの頃にしかないもので、身体が大人になってしまうと軟骨細胞は硬くなりほとんどなくなります。
その結果大人ではあまり身長が伸びないということになるため、積極的に身長を伸ばすには子どもの頃が大切で、軟骨細胞をしっかり増やしていくためにも成長ホルモンの分泌が十分であることが必要です。

それに骨形成はつくられた軟骨細胞を元にして行われるため、成長ホルモンの分泌が十分でなければあまり軟骨細胞がつくられず、その結果骨がそれほど伸びないことになります。
いくら骨を丈夫にするための栄養素を取ったとしても、肝心の軟骨がしっかり増えていなければ短いままで骨形成されてしまうのです。

子どもの骨の軟骨を増やすには毎日の生活習慣も大切です


骨形成を支える軟骨細胞を増やすには、まず毎日の生活習慣を振り返ってみましょう。
健康的でない生活習慣を続けていると成長ホルモンの分泌がスムーズではなくなり、時には分泌量が減ってしまうこともあるため、その結果軟骨をつくる働きも促進されなくなるのです。

では生活習慣の中でも気を付けたい、睡眠・食事について解説します。

睡眠不足は大敵

成長ホルモンの分泌は睡眠中に最も多く行われることから、睡眠不足は十分な軟骨細胞の増加を妨げる可能性があります。
年齢に応じた睡眠時間が必要で、例えば小学校高学年から中学生なら9時間程度、高校生でも8時間程度は睡眠を取らせてあげましょう。

タンパク質を十分取る

骨形成の元になる軟骨細胞はタンパク質を元にしてつくられるため、食事では十分タンパク質を取ることのできるメニューを心がけましょう。
お子さんの食事で昼食と夕食ではタンパク質を取れている場合が多いものの、朝食や間食では不足しがちなので朝食や間食にもタンパク質を含んだメニューを用意してあげることもおすすめです。

身長の伸びが悪いと思われる時は整形外科を受診しましょう

お子さんの様子を見ていて、身長があまり伸びてこないように感じる時には骨形成を促す生活習慣の改善もおすすめですが、整形外科を受診する方法もあります。
整形外科には低身長の専門医が在籍しているところもあり、その病院を受診するとよりお子さんの身長の伸びを悪くしている原因の追及に取り組みやすくなります。

病院では、カウンセリングや診察、検査結果の分析などお子さんの状態についてあらゆる検討が行われるので、身長を伸ばすための対策も見つけやすくなるでしょう。
それに必要があってその子にも効果が期待される場合は、成長ホルモン剤を使ったホルモン療法に取り組むことも提案されます。

不足している成長ホルモンを注射で補うことにより十分なホルモン分泌になるよう調整する方法です。
このホルモン注射は毎日継続して行う必要があるため、通院ではなく自宅で家族、またはお子さん自身で行いますが、針はとても短くなっており、慣れればスムーズに注射することができるようになるので安心して施術をスタートしましょう。

もしホルモン療法に関心がある場合、早いうちに取り組んだ方がホルモン剤の量が少なく済むことも多いので、お子さんの身長が心配になったら早めに医師に相談することをおすすめします。

(まとめ)成長ホルモンが分泌されると骨形成が進むの?

1.成長ホルモンにより子どもの骨の軟骨細胞が増え、それを元に骨形成が進みます

骨形成は成長ホルモンが直接行っているのではなく、骨の元になる軟骨細胞を増やすよう成長ホルモンが働きかけることによって行われています。軟骨細胞が増えて硬くなると骨形成され、その分身長が伸びることになるのです。

2.軟骨細胞は骨形成の元になる物です

子どもの時の骨には骨端線という軟骨細胞でできた部分があり、この軟骨細胞が骨形成に役立っています。成長ホルモンの分泌が十分で軟骨細胞もよくつくられていると骨形成されて身長の伸びにつながるのです。

3.子どもの骨の軟骨を増やすには毎日の生活習慣も大切です

子どもの骨形成の元になる軟骨細胞を十分増やすためには、成長ホルモンの分泌促進が欠かせません。そのためには、十分な睡眠時間の確保を心がけ、食事では軟骨細胞をつくる元になるタンパク質を3回の食事や間食でしっかりと取らせてあげましょう。

4.身長の伸びが悪いと思われる時は整形外科を受診しましょう

なかなかお子さんの身長が伸びないと感じる時は、整形外科で低身長の専門医に相談しましょう。カウンセリングや検査などによって原因の解明に取り組んでもらえ、必要性と効果があると期待される場合は成長ホルモンを使ったホルモン療法も行えます。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師