思春期に低血圧で朝起きられないのは成長ホルモンの影響ではありません


思春期になってから朝起きられず低血圧だと思う時、起立性調節障害が原因の場合があります。
起立性調節障害の原因は自律神経の乱れと言われており、お子さんを起こしても全く起きないことは典型的な症状のひとつです。

うつ病と似た症状が出ることから間違えやすいですが、使用する薬などが違うため思わぬ副作用が出る可能性もあり、専門医との相談がおすすめです。

思春期の低血圧は自律神経の乱れから起こると言われています

思春期に入る小学校高学年から、低血圧で朝起きられないことがあり、起こされても起床できない、起こされたことも覚えていない状態が続くと起立性調節障害の可能性があります。
起立性調節障害とは、自律神経の乱れが引き起こすと言われており自律神経の交感神経と副交感神経がうまくバランスを取って働けなくなることで乱れてしまうのです。

たとえ朝起きることが辛くても登校できていれば治療の必要はありませんが、登校できないほどの状態では治療が必要になります。
もしお子さんが起立性調節障害かもしれないと不安がある時は、次のような症状が出ていないかチェックしてみましょう。

起立性調節障害の症状
  • 起こされても起きられない
  • 立ちくらみがする、立っていられない
  • 全身がだるく、つらい
  • 食欲が出ない
  • 集中できない、集中力が落ちる
  • イライラする
起立性調節障害の治療

起立性調節障害の治療は精神的なストレスの軽減や薬物療法が取られますが、医師によってお子さんの状態を診察した上で判断されます。
そのためより詳しくお子さんの状態を伝えられるようにチェックしておきましょう。

睡眠不足から朝起きられない可能性もあります


朝起きられなければ必ずしも起立性調節障害にあたるわけではなく、日頃の睡眠時間が足りていない可能性もあります。
小学校高学年から中学生、高校生になると忙しさや思春期で身体が大人になってきていることから、睡眠時間を減らしても良いと思ってしまい寝る時間を短くしている場合があるからです。

しかし理想的な睡眠時間は小学校高学年から中学生で約9時間、高校生でも約8時間は必要と言われているので、それより短い睡眠時間が続いたり、日中の活動による疲労が蓄積したりしていると、睡眠不足になってしまいます。
そして睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が不足しやすくなり、思春期の身体の成長にも影響を及ぼすことがあります。
影響のひとつには身長がよく伸びないことがあげられ、思春期が終わるまでに十分身長を伸ばしておかないと大人になってからでは大きく背が伸びることは難しくなるのです。

そのため、朝気持ちよく目覚めるためや成長ホルモンを十分分泌させるためには、理想的な睡眠時間を継続して取るように促してあげることがおすすめです。

成長ホルモンの分泌促進は生活習慣の改善から行いましょう

成長ホルモンの十分な分泌のためには睡眠が大切で、なぜなら睡眠中は最も成長ホルモンの分泌が多くなるからです。
眠りはじめに深い睡眠を取ることができると成長ホルモンの分泌を促進しやすいので、寝る前にリラックスしよく眠ることがポイントです。

そのためには寝る2時間前までに食事を済ませて眠る時には消化が終わった状態にしておくことや、寝る直前までテレビやスマホの画面を見ていて脳が興奮した状態にしないことなどを実践しましょう。

心配があれば整形外科を受診

朝起きられない、またお子さんの身長の伸びに不安がある場合、成長ホルモンの分泌が不足している可能性もあります。
睡眠時間を十分取り、朝起きられるようになってもなかなか身長が改善されない時には整形外科で低身長の専門医を訪ねてみましょう。

カウンセリングや検査を行って成長ホルモンの分泌が不足しているかどうかやその他に原因がないかを判断してもらえます。
そして必要がありお子さんに対して効果が期待される場合には成長ホルモン治療を受けることも提案され、直接成長ホルモンの不足を補う施術を受けることができます。

(まとめ)低血圧で起きられないのは成長ホルモンが原因?

1.思春期に低血圧で朝起きられないのは成長ホルモンの影響ではありません

低血圧で朝起きられないことが思春期に起こる場合があります。起こしても起きられない場合は起立性調節障害の可能性があり、うつ病と症状が似ているため専門医に相談しましょう。

2.思春期の低血圧は自律神経の乱れから起こると言われています

思春期に低血圧で朝起きられないことが続く場合、起立性調節障害の可能性があります。これは自律神経の乱れから起こると言われており、治療の必要がある時は精神的なストレスの軽減や薬物療法が行われます。

3.睡眠不足から朝起きられない可能性もあります

低血圧で朝起きられなければ全て起立性調節障害にあたるのではなく、睡眠不足の可能性もあります。睡眠不足は成長ホルモンの分泌不足になり、身長の伸びが悪くなる可能性もあることから十分な睡眠を取らせてあげましょう。

4.成長ホルモンの分泌促進は生活習慣の改善から行いましょう

睡眠不足を改善し、朝起きやすくなってもお子さんの成長ホルモン分泌不足に心配がある時は、整形外科を受診しましょう。病院では問診や検査を行って成長ホルモンの分泌が十分かをチェックし、必要に応じた施術が受けられます。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 沼倉 裕堅 医師