成長ホルモンが平均値を満たしているかは、SDスコアでチェックできます
成長ホルモン量は、正確には血液検査により血中のホルモン濃度を調べて平均値を満たしているかを調べます。
しかし、成長ホルモン不足が起こる低身長を招くのでお子さんの身長値からもチェックできます。
この場合は、同性同年齢の子の平均身長からお子さんの身長がどの位の差があるかを示す、SDスコアという値を計算します。
SDスコアが-2.0よりも下回れば、低身長、つまり成長ホルモンが平均値以下の可能性が高まるということになります。
目次
身長の平均値と標準偏差が、成長ホルモン不足の目安となります
我が子の成長ホルモンが正常に分泌されているか、平均値を満たしているかは親御さんにはとても気になる所です。
成長ホルモン量は、採血して血中のホルモン濃度によって調べます。ただし、ご家庭ではSDスコアで成長ホルモンが平均値であるかの目安となると調べ方ができます。
SDスコアは、該当年齢における平均身長値と、平均身長からどれだけ離れているかを示すSDを、標準偏差の値を用いて計算します。
お子さんの身長の実測値から同性、同年齢の子の平均身長値を引き、標準偏差で割るとSDスコアが出ます。標準偏差は、年齢性別によって数値が異なるので、ネットなどで該当年齢の値を調べて計算してみて下さい。
また既に年齢による平均身長値の成長曲線と、標準偏差が記載されたグラフなどもありますから、そういったものも活用してみましょう。
計算によって導きだされたお子さんのSDスコアが、-2SD以下だと成長ホルモンの分泌が平均値を下回っている可能性が高いでしょう。
低身長の疑いがあると考えられ、詳しい検査が必要となるので、できるだけ早めの医療機関を受診することをおすすめします。
平均値より少ないと分泌不全性低身長症の恐れがあります
子どもの成長ホルモンが平均値を下回る場合、成長ホルモン分泌不全性低身長症の可能性が考えられます。脳下垂体からの成長ホルモン分泌が減るもしくはなくなるため、成長が阻害されて低身長になるという病気です。
大半のケースは、出産時は平均身長だったのに1歳前後から身長の伸び率が低下します。
そして2歳以降は身長の平均値を大きく下回り、年齢を重ねても身長が伸びなくなってしまう特発性のもの、つまり原因不明のものだとされています。
また、一部は遺伝が原因の場合や、脳やその周辺にできる腫瘍が要因となるケースもあるとされています。
成長ホルモン分泌不足は、お子さんの骨や筋肉の成長を妨げ、身長の伸びを阻害して将来的に低身長になるリスクもあります。
お子さんがスポーツをする上、また見た目にも低身長をコンプレックスと捉える場合もあるので、親御さんとしては何とかしてあげたい所です。
病院では問診を始めさらに採血やレントゲンによる骨の発育具合などの検査をします。
さらに成長ホルモン分泌刺激検査や、脳腫瘍の可能性も考慮してのMRT、遺伝の可能性もあるので染色体検査などが行なわれ、ホルモンが分泌異常を起こしているかを判断します。
成長ホルモン治療は、低身長に効果的な治療法だとされています
病院を受診して成長ホルモンの分泌量が平均値を下回り、少ないと診断されたら、成長ホルモン治療が行われます。
成長ホルモン治療は、自宅で毎日決められた量の成長ホルモンを注射するという方法です。
かなり極細の注射針を使っているので痛みも少なく、カートリッジを専用ホルダーに入れて腕に打つだけなので、慣れてしまえば簡単です。
注射が怖いお子さんには、針が見えないタイプのホルダーもあります。
治療を始めて効果が出るまでの期間には個人差はありますが、1年ほどで骨の成長が見られるのが一般的です。
さらに筋肉も増していく一方で脂肪を分解する作用もあるとされており、治療中は食欲増進となるのに体脂肪は減少するとされています。
成長ホルモンは、一般的に3歳頃から思春期の10代半ば頃までが最も分泌が盛んとなり、その後は性ホルモンの分泌量が増えます。
そのため、この時期に成長ホルモン治療を受けるのが最も効果が出やすいと考えられています。
(まとめ)成長ホルモンの平均値はどうすればわかるの?
成長ホルモンが平均値を満たすかは、お子さんの身長値によってチェックできます。同性、同年齢の子の平均身長値とお子さんの身長値の差を示す、SDスコアという値を計算してみましょう。
成長ホルモンの平均値を満たしていないと、身長が伸びにくくなり低身長になる可能性があります。成長ホルモンの分泌が正常化は、お子さんの身長から導き出すSDスコアの値が判断の目安となります。
子どもの成長ホルモンが平均値を満たしていないと、将来的に身長が伸びない成長ホルモン分泌不全性低身長症の可能性があります。ほとんどのケースは原因不明ですが、遺伝や脳腫瘍なども要因とされています。
成長ホルモン分泌不足だと判明した場合は、注射で成長ホルモンを投与する治療が行われます。元から体内にある成長ホルモンを補うので副作用の心配もほぼなく、また身長の伸び率が上がるなど成果のある治療法だとされています。