成長期の間違ったダイエットは身長が伸びなくなるほか身体の発達に悪影響を及ぼすことがあります


成長期のダイエットは、身長を伸ばし身体を発達させるための栄養まで不足してしまうことがあります。食事量を極端に減らすことや、食生活が偏ることでカルシウムやタンパク質不足を招くのです。

栄養不足は身体の成長とともに脳の機能にも悪影響を及ぼします。
また、生理が止まるなど女性らしい身体への発達を阻害することもあるでしょう。

間違ったダイエットは全身に悪影響を与え、新たな疾患を招くこともあります

親が思っているよりも子どもは大人びているという話はよく聞かれます。
たとえ標準体型であっても、モデルのようなすらりとした身体にあこがれてダイエットにいそしんでいるかもしれません。

しかし、栄養を必要とする成長期に間違ったダイエットをすることは、多くの問題を引き起こすと言われています。その一つが、栄養不足による身長の伸び悩みです。

成長期に誤った食事制限をすれば、筋肉や骨など全身に悪影響を及ぼすと言われています。
カルシウム不足になれば骨や歯が弱くなり、タンパク質不足になれば肌や髪が衰えてしまう可能性があります。

また成長に関わるホルモンに影響するため身長の伸びも鈍化すると考えられるでしょう。
さらに筋肉が衰えてしまうと基礎代謝量も下がります。

間違ったダイエットの結果、逆に痩せにくい身体になることもあるのです。
ダイエットは行き過ぎると拒食症などの摂食障害を引き起こすこともあります。

特に思春期は学校や勉強のストレスが多く、重症化してしまうこともあるでしょう。
たかが子どものダイエットと侮ることは危険です。

ダイエットの弊害は毎日の生活や将来に大きく影響すると考えましょう。

女子の行き過ぎたダイエットは不妊の原因になることもあります


思春期の女子は女性ホルモンの影響で皮下脂肪がつきやすくなります。
そのことでダイエットを意識する女子も多いでしょう。

しかし、この時に増える皮下脂肪は身体を冷えから守り、妊娠できる身体に成長するための必要なものです。無理なダイエットで急激に痩せてしまえば、脳は生命の危機を感じて生命維持に関係ないホルモンの分泌を抑えます。

その結果、生理が止まってしまうことがあるのです。
生理が来なくなることの危険性は、若い間はあまり意識しないかもしれません。

しかし将来妊娠を希望したときに妊娠しにくくなるなどのリスクもあると言われています。
生理がなくなると骨の密度が下がって、骨折しやすくなる危険性も指摘されています。
女性ホルモンがその役割を終えると骨の量を維持していたエストロゲンがなくなり骨折しやすくなります。

しかし、思春期のダイエットでも同じように骨が脆くなってしまうのです。
ダイエットは一時のことですが、その結果は一生ついて回ります。

正しいダイエットを身につけることは生涯の健康を保つためにも大切だと考えられます。

思春期やせ症は重篤になる前に周囲が気付くことが大切です

思春期のダイエットが行き過ぎれば、思春期やせ症という摂食障害を引き起こすことがあります。
思春期やせ症とは、小児期発症神経性食欲不振症とも呼ばれ、ストレスによる拒食や過度のダイエットによりさまざまな弊害が引き起こされる病気です。

健康な人が急激に体重を減らしてしまうと、身体の防御反応として強い食欲がわき出ます。
これがリバウンドの原因にもなりますが、思春期やせ症の場合さらに食べなくなることでさまざまな障害を引き起こします。

ダイエットが成功して身体がやせ、体重が減ることで人は達成を感じます。
そこで一時的に気分が高揚してダイエットが行き過ぎてしまうことで思春期やせ症が起きることがあると言われています。
思春期やせ症が進行してしまうと、自分で病に気が付くのは困難です。

思春期やせ症は低血糖や内臓障害などの合併症を招く恐れもあります。
思春期やせ症は中高生の女子に多い病気ですが、小学生女子や男子の発症例も増えている病気なので油断は禁物です。

学校や人間関係、部活などのストレスや挫折感も原因となるため、早い段階で発見して治療の計画を立てることが大切です。

(まとめ)成長期にダイエットすると身長が伸びなくなる?

1.成長期の間違ったダイエットは身長が伸びなくなるほか身体の発達に悪影響を及ぼすことがあります

成長期に間違ったダイエットをすることで身体の発達や身長の伸びに影響すると言われています。
また、脳の機能に悪影響を及ぼしてしまう場合や、女性らしい身体づくりを阻害してしまうなどの弊害もあると考えられます。

2.間違ったダイエットは全身に悪影響を与え、新たな疾患を招くこともあります

極端な食事制限など間違ったダイエットは成長期の子どもに悪影響を与えます。
カルシウムやタンパク質が不足するため筋肉が衰え、身長も伸びにくくなると言われています。
また、行き過ぎたダイエットは拒食症などの摂食障害を引き起こすこともあります。

3.女子の行き過ぎたダイエットは不妊の原因になることもあります

思春期の女子は皮下脂肪がつくため、身体が丸みを帯びます。しかし、ダイエットが行き過ぎてしまうと女性の身体になるための発達まで止まってしまうことがあります。
それは、将来妊娠しづらくなる危険性もはらんでいるため注意が必要です。

4.思春期やせ症は重篤になる前に周囲が気付くことが大切です

思春期のダイエットが行き過ぎることで思春期やせ症を引き起こすことがあります。思春期やせ症になるとさまざまな病気を引き起こし、身体の発達にも影響を与えます。
心の病が原因とも考えられるため周囲のサポートも大切です。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 沼倉 裕堅 医師