生理が始まったからと言って身長が伸びないとは限りません
生理が始まると身長が伸びないという話に医学的な根拠はありません。身長が最も伸びるとされる時期から約1年後が、一般的に初めての生理が訪れるとされる時期に該当します。
つまり、生理は子どもの身長が伸びるピークを過ぎた頃に迎えると考えられているため、生理の影響で身長が伸びないということはないとされているのです。
身長の伸び方には個人差があるので、生理を迎えた後で身長が急激に伸びたケースも多く報告されています。
目次
身長の伸び方と生理に関わる女性ホルモンがあります
女性の身体には、エストロゲンとプロゲステロンという2つのホルモンがあります。
特にエストロゲンは成長期の女の子に対して、身長の伸び方と生理の両方に対して密接に関わってくる重要な女性ホルモンになります。
一般的にエストロゲンは8~9歳頃から分泌され始め、女性らしい身体作りをする上で大きな役割を果たします。
成長期に乳房や子宮などの発育を促すとともに、身長の伸びや体重の増加をサポートします。
女性らしい身体への成長を促すのはエストロゲンの働きによるものであり、分泌量が増える12歳前後になると初めての生理を迎えることになります。
エストロゲンは閉経に至るまでの間、生理の周期ごとに分泌量の増減を繰り返していきます。
またエストロゲンは骨の代謝と深い関わりがあり、骨の成長を促す働きがあります。
エストロゲンが不足すると骨の量が減少してしまうため、子どもであれば身長が伸びにくくなり、大人であれば骨粗しょう症の原因になります。
エストロゲンの働きを助ける食品について知りましょう
エストロゲン不足による身長の伸び悩みを防ぐには、エストロゲンをサポートする食品について知ることが大切です。
下記に主な食品についてまとめましたので、積極的に食事のメニューに取り入れてみてください。
大豆は「畑の肉」とも呼ばれ、イソフラボンを豊富に含む食品として知られています。
イソフラボンはエストロゲンに似た働きをするため、エストロゲンの手助けをしてくれると言われています。大豆製品は、豆腐、納豆、味噌といった身近な食品に多く含まれています。
カボチャにはエストロゲンをはじめとする女性ホルモンの分泌をコントロールしてくれる、ビタミンEが含まれています。
ビタミンEは女性ホルモンの分泌の中枢となる脳下垂体や卵巣に働きかけます。
オリーブオイルやアボカドにもビタミンEは多く含まれています。
キャベツに多く含まれるボロン(ホウ素)には、エストロゲンを活性化する作用があります。
ボロンはキャベツの他にリンゴ、ぶどう、梨、昆布、ワカメ、アーモンドなどにも含まれています。
女性ホルモンの主な材料となるのはタンパク質とコレステロールであり、摂取した油は体内でコレステロールに変化した後、女性ホルモンとなります。
食事を作る際にはエゴマ油、アマニ油、オリーブオイルなどの良質な油を使用することを意識してみましょう。
無理なダイエットや体重制限は身長が伸びない原因になります
身長が伸びる大切な時期に過剰なダイエットや無理な体重制限を行わないよう、注意しましょう。
特に女の子の場合、体重の増加を気にし過ぎるあまり、体内の脂肪が不足することがあります。
脂肪からはレプチンという物質が分泌されますが、このレプチンが脳を刺激することで初潮を迎えます。
そのため、あまりに痩せ過ぎている子どもの場合、生理を迎える時期が遅くなる恐れがあります。
骨を成長させ、身長を伸ばすためにも規則正しい食生活を心がけましょう。
身長を伸ばすのに必要な栄養素は食事から摂取することが望ましいですが、中には吸収しづらい栄養素もあるため、効率よく摂取するのが難しい場合もあります。
また、専門の医療機関によっては子どもの身長を伸ばすために、成長ホルモンを投与する治療を行っているところもあります。
身長の伸び方に悩みや不安を感じた時は、一度相談に訪れることをおすすめします。
(まとめ)生理が始まると身長が伸びないって本当なの?
生理が始まると身長が伸びないという話に医学的な根拠はなく、生理を迎えた後で身長が伸びたケースも数多くあります。生理は身長が伸びるピークを過ぎた頃に迎えると考えられているため、生理の影響で身長が伸びないということはないとされています。
エストロゲンは成長期の女の子に対して、身長の伸び方と生理の両方に関わってくる女性ホルモンです。8~9歳頃から分泌がはじまり、女性らしい身体作りをサポートするとともに身長の伸びや体重の増加を促します。
エストロゲン不足により身長が伸びないことがあるため、エストロゲンの働きをサポートする食品を取り入れましょう。大豆製品、カボチャ、キャベツ、エゴマ油などの良質な油がエストロゲンの手助けをするとされています。
過剰なダイエットや体重制限は、生理が遅れる原因となります。規則正しい食生活を続けることが大切ですが、必要な栄養素が食事から摂取しづらい場合もあります。
専門医療機関で成長ホルモンの投与が受けられることがあるので、一度相談に訪れてみましょう。