骨端線への刺激は、骨の成長を促すと考えられています
適度な運動により骨端線に刺激を与えると、周辺の血流が良くなります。
すると、骨の成長に必要な栄養分などがしっかり行き渡るため、骨を伸ばすのに効果的だとされているのです。
ただし、運動のやりすぎやきつい筋トレなどは、逆に骨の成長を阻害する可能性もあるので気を付ける必要があります。
それでも低身長など骨の成長が気になる場合は、専門医に相談するのも一つの手です。
目次
運動による刺激で、骨端線の軟骨細胞が増え、骨が成長する可能性はあります
骨端線は軟骨細胞により形成されており、軟骨細胞が増えることで骨が伸びて身長が徐々に高くなります。大人になるにつれて骨端線は徐々になくなってしまうので、子どもの頃が骨端線を成長させるチャンスです。
骨を成長させるには、骨端線への刺激も一つのポイントとなります。
骨端線に適度な刺激が加わると、骨端軟骨の血流が良くなります。
その結果、成長ホルモンや栄養分などがしっかり骨端軟骨に行き届くので、軟骨細胞の増殖が活発化し、骨の成長が促されるからです。
骨端線への刺激は、主に筋肉を使った運動が好ましいと考えられています。
ジャンプしたり、体を伸ばしたり、ひねるなどの動きは物理的に骨を引っ張る力が加わった状態になるため、骨端線に陰圧がかかり軟骨細胞を増殖させるための良い刺激となるのです。
スポーツなら、ジャンプする機会が多いバスケットボールやバレーホール、縦方向に体を伸ばす水泳などが適していると考えられます。
もちろん、決まったスポーツ継続的にしなくてもおにごっこや鉄棒、なわとびなど外で思いっきり体を動かして遊ぶ時間を増やすことも骨端線の刺激につながります。
筋肉の負荷が大きい運動は、骨の成長を妨げることもあります
軟骨細胞を増やして骨端線を成長させ、身長を伸ばすためには適度な運動は必要ですが、やりすぎは逆効果となります。あまりに筋肉への負荷が大きい運動、たとえばダンベルを使った筋トレなどを成長期に過度に行うことで、筋肉の繊維が傷つき、回復していないうちにまた傷つくというように、筋肉のダメージが続きます。
筋肉は硬くなって増え、しっかりと出来上がりますが、逆に伸びようとしている骨や関節周りのスペースがなくなり、骨の成長を阻害する可能性があるのです。
また、バスケットボールやバレーボールなど、骨端線の刺激に良い運動もやりすぎると、オスグッド症などの成長期特有の疾患を招くリスクもあります。オスグッド症は、膝下のちょうど脛の一番上にある脛骨粗面という部位が徐々に突出してくる病気です。
原因は色々ありますが、成長期に走りながらボールを蹴ったり、ジャンプしたりという運動をやりすぎることにより、大腿四頭筋が骨端線を繰り返し引っ張ることで、軟骨が剥離して炎症を起こすのが主な要因とされています。
骨の成長が止まれば、膝の痛みも治まりますが、痛みを抑えるためのアイシングや運動を控えることなどが必要となります。
骨の成長が思わしくない、低身長が気になる場合は一度専門医に相談してみましょう
骨端線の成長を促すには、軟骨細胞の元となる栄養素、たんぱく質をきちんと食事で摂取することも大事です。
たんぱく質は肉や魚、卵や大豆製品などさまざまな食品に含まれているので、毎食少なくとも1品は食事に取り入れるようにしましょう。
ただ、高脂肪高カロリーの食品もあるので選ぶ際には注意してください。
また、軟骨細胞を増やすには、脳下垂体で分泌される成長ホルモンが深く関係してます。
成長ホルモンは、肝臓で作られる成長因子の分泌を促し、この成長因子が軟骨芽細胞を増殖させる作用があるからです。
成長ホルモンの分泌を促すには、全身の筋肉を使った運動や十分な睡眠などが必要とされています。
しかし、それでも低身長に悩むお子さんは多く、成長ホルモンの分泌に異常が見られる可能性もあります。こういった場合は、できる限り早期に専門医を受診して、詳しく検査してもらうことが大事です。
ホルモン分泌検査の結果、必要であればホルモン療法などを行うことで将来的に身長が伸びる可能性が高まるとされています。
(まとめ)骨端線に刺激を与えると身長が伸びるって本当?
運動で体を動かし、骨端線に刺激が伝わると軟骨組織の増殖が活発化し、骨が成長しやすくなると言われています。ただし、過度な運動や負荷の重い筋トレは逆に骨の成長を妨げることもあります。
骨端線に刺激を与えると血流が促され、栄養分や成長ホルモンがしっかり行き届くようになるため、骨が成長しやすくなると考えられています。特に、ジャンプしたり体を縦方向に伸ばしたりするバスケットボールや水泳などの運動は効果的だと言われています。
筋肉に大きな負荷のかかる運動は、筋肉が増殖して骨や関節周りのスペースがなくなり、骨の成長を阻害する可能性があります。また、バスケットボールなど骨端線の刺激に良いとされる運動も、やりすぎると逆効果になるので注意は必要です。
適度な運動をするなど骨端線の成長を促すような生活を送っていても、思うように身長が伸びないという場合は、疾患による成長ホルモン分泌不全などの原因が隠れている場合があります。
早いうちに、一度専門医にかかり検査を受けられることをおすすめします。