低身長の治療に成長ホルモンが使われるのは身長を伸ばす効果が期待できるためです


専門医療機関での低身長の治療に成長ホルモンが使われる理由は、成長ホルモンには子どもの身長を伸ばす効果が期待できるためです。
人間の体内にある100種類のホルモンのひとつである成長ホルモンは、子どもの身長に大きな関わりを持つホルモンになります。

子どもが成長期に身長が大きく伸びるのは、この成長ホルモンの分泌が活発になるためです。
専門医療機関で成長ホルモン治療を行う目的は、不足した成長ホルモンを補うことで、子どもの身長を伸ばすことにあります。

もし子どもが低身長かもしれないと感じたら、専門医療機関のカウンセリングを受けましょう。

成長ホルモンは人間にとって重要なホルモンです

成長ホルモンなどの各種ホルモンは血流に乗って運ばれた後、目的とする器官へと到達します。
成長ホルモンは脳の下垂体から分泌されるホルモンになりますが、子どもの時期だけでなく成人してからも生涯にわたって人間の身体の働きに関わります。

子どもの身長だけに関与すると思われがちな成長ホルモンですが、実は年齢によってその働きに違いが出てきます。

小児期

骨を伸ばすことで、子どもの身長の伸び方に大きく影響します。
また筋肉や他の器官の発達を促進して成長に導きます。

思春期

性ホルモンと共に、子どもの成長および成熟を促します。
男の子は男性らしい体型に、女の子も女性らしい体型へと変化していきます。

成人期

筋肉や骨の量を保つだけでなく、体内でエネルギーを作り出す代謝機能を司ります。
精神的に安定するのも、成長ホルモンの働きによるものです。

成長ホルモンは人間が生きていく上で欠かすことのできないものであり、ほかにもさまざまな役割を担っています。

・記憶力、意欲を高める
・免疫機能をコントロールする
・糖や脂肪の代謝を促す

このように人間が生きていくうえで重要な成長ホルモンですが、子どもの頃に不足してしまうと、低身長を引き起こす原因となります。

成長ホルモン分泌不全症は成長ホルモンの不足を招きます


成長ホルモンは正常であれば生涯の間、休みなく分泌され続けるものです。
しかし何らかの原因によって、成長ホルモンの分泌量が大きく減ってしまうことがあります。

成長ホルモンが不足すると成長ホルモン分泌不全症となり、身体にさまざまな影響が出始めます。

骨が伸びなくなる

骨が伸びなくなるということは、身長の伸びが悪くなり、低身長になることを意味しています。
また骨自体ももろくなり、骨折しやすくなります。

筋肉量が落ちる

成長ホルモンには筋肉を作る働きがあるため、成長ホルモンが足りなくなると筋肉量も落ちていきます。心臓の機能も弱まり、運動能力の低下を招くことになります。

肥満を招く

成長ホルモンには身長を伸ばしたり、筋肉を発達させたりする以外にも、脂肪を分解するという役割があります。
成長ホルモンが不足すると脂肪が分解されにくくなるため、内臓脂肪が蓄積されて肥満症になるリスクが高まります。

成長ホルモンの分泌を高めるために睡眠の質を上げましょう

睡眠が果たす役割とは、単に肉体の疲れをとるということではありません。
子どもの低身長を防ぐうえで大切な成長ホルモンの分泌量を高めるには、どれだけ質の良い睡眠をとれているかが重要になってきます。

では質の良い睡眠とは、一体どのようなものを指すのでしょうか。

医学的に言う良い睡眠とは、量よりも質を重視します。
つまり、どれだけ長く眠れたかよりも、どれだけよく眠れたかが重要になってきます。

人間は睡眠中に浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠を交互に繰り返しています。
ノンレム睡眠には眠りの深さに段階があり、最も深い眠りは寝入ってから3時間のうちに来ると言われています。

成長ホルモンはちょうどこの時間帯に分泌されるため、睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げることになります。
低身長を予防するには子どもに早寝早起きをさせるのも務めと考え、規則正しい生活を心がけて成長ホルモンの分泌を促しましょう。

(まとめ)低身長の治療に成長ホルモンが使われるのはどうして?

1.低身長の治療に成長ホルモンが使われるのは身長を伸ばす効果が期待できるためです

成長ホルモンには子どもの身長を伸ばす効果が期待されるため、専門医療機関では低身長の子どもに対し、成長ホルモンを投与する治療を行っています。正常に分泌されない成長ホルモンを補うことで、子どもの身長を伸ばすことを目指します。

2.成長ホルモンは人間にとって重要なホルモンです

情報伝達物質である成長ホルモンは子どもの時期だけでなく、成人してからも人間の身体の働きに大きく関与してくるものになります。子どもの身長を伸ばすこと以外にも、エネルギー代謝や免疫機能を保つなどの重要な役割があります。

3.成長ホルモン分泌不全症は成長ホルモンの不足を招きます

成長ホルモンの分泌が低下すると骨が伸びにくくなり、低身長になる可能性が高くなります。また筋肉量が落ちることから運動能力の低下を招き、脂肪も分解されづらくなるので肥満症のリスクも高まります。

4.成長ホルモンの分泌を高めるために睡眠の質を上げましょう

睡眠とは肉体の疲れを癒やすためだけではなく、成長ホルモンの分泌を促進し、子どもの身長を伸ばすためのものでもあります。子どもに夜更かしをさせず、規則正しい生活を実践させることで低身長を予防しましょう。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師