骨芽細胞はカルシウムを材料にして強い骨をつくります
骨芽細胞は骨の鉄筋となるコラーゲンをつくり、そこにタンパク質を塗っていきます。
このタンパク質が「のり」と同じ役割をして、カルシウムを付着させるのです。
血液と一緒に運ばれてきたカルシウムは、骨芽細胞によって骨にくっつき、骨を強く丈夫にします。
骨の代謝には、新しい骨をつくる骨芽細胞と、古い骨を壊す破骨細胞が関わっています。
この2つの細胞が働くことにより、骨の代謝が絶えず行われているのです。
骨の代謝は骨芽細胞と破骨細胞によって行われます
骨の代謝は、骨芽細胞と破骨細胞の働きによって行われています。
生涯にわたって骨の代謝は繰り返され、成人でもおよそ3年で骨が生まれ変わるといわれています。
それぞれの細胞の働きについて詳しく見ていきましょう
- 骨芽細胞
新しい骨をつくる細胞です。
骨にカルシウムを付着させ、丈夫な骨をつくります。 - 破骨細胞
骨を破壊する細胞です。
古い骨のカルシウムを溶かし、血液中へと送り出します。
骨芽細胞と破骨細胞によって骨が生まれ変わるのは、理由があります。
カルシウムは生きていくために欠かせない栄養素であるため、身体の各組織に送り届ける必要があるのです。体内にあるほとんどのカルシウムは骨に蓄えられていて、カルシウムが足りなくなった時には骨から溶け出し、血液で運ばれます。
骨はカルシウムの貯蔵庫のようなもので、体内のカルシウムが足りなくなると、骨からカルシウムが引き出されます。
カルシウムの出し入れがされることによって、骨の代謝が行われていくのです。
カルシウムは体内で生成されないため、不足しやすい栄養素だといわれています。
しかし、カルシウム濃度が高すぎるのも、身体にとっては好ましいことではありません。
骨芽細胞と破骨細胞は、血液中のカルシウム量を調節する役割も持っています。
ビタミンB群が骨の代謝を高めるといわれています
ビタミンB群の不足が骨の代謝を阻害し、骨の強度や密度の低下を招くことがわかっています。
特にビタミンB6、B12、葉酸の組み合わせが、骨の代謝を高めると考えられているのです。
三大栄養素である、タンパク質、糖質、脂質の力を発揮させる時にも、ビタミンB群の力が必要になります。子供の成長に関わる主なビタミンB群の働きは、次のようなものです。
糖質を分解し、エネルギーとする際に働くのがビタミンB1です。
ビタミンB1が不足すると糖質をエネルギーに変換できず、疲れやすくなります。
糖質と脂質を分解し、エネルギーを生み出すのがビタミンB2です。
不足すると、皮膚や粘膜の疾患を発症することがあります。
子供の身長を伸ばすのに重要なタンパク質は、一度アミノ酸に分解されてから再合成されます。
この時に必要なのがビタミンB6で、子供の成長を促進する作用があるといわれています。
ビタミンB12には造血作用があり、葉酸と共に赤血球の分化を助けています。
不足すると、めまいや貧血を起こすことがあります。
葉酸は細胞分裂を助け、ビタミンB12と同じく造血作用があるといわれています。
野菜に多く含まれており、ビタミンB12と一緒に摂ると効果が高まります。
三大栄養素の代謝を助け、血行改善の効果も期待されています。
不足すると、皮膚炎や食欲低下を招くことがあります。
リンの摂り過ぎに注意しましょう
骨の主な成分は、カルシウム、コラーゲン、リンです。
リンはカルシウムと結合して、骨の強度を維持する働きがあります。
しかし、リンを摂りすぎるとカルシウムが吸収されにくくなり、骨の密度が低下する恐れがあるのです。
リンは、加工食品やインスタント食品に多く含まれています。
子供の食事は手作りを心がけ、栄養バランスを考えてあげましょう。
骨芽細胞や破骨細胞の働きは、私達の目で直接見ることはできません。
子供の成長で気になることがあれば、専門医に相談しましょう。
カルシウムは強い骨をつくる栄養素なので、直接身長を伸ばす効果は期待できません。
他の子供と比べて身長が伸びていないと感じたら、低身長治療を検討しましょう。
(まとめ)カルシウムと骨芽細胞の関係性とは?
骨が生まれ変わる仕組みには骨を形成する骨芽細胞と、骨を吸収する破骨細胞の2つが関わっています。骨芽細胞は骨にタンパク質を塗り、血液と一緒に運ばれてきたカルシウムを付着させるのです。カルシウムは骨芽細胞の働きによって骨をつくる材料となります。
骨の代謝は、成長期の後も生涯にわたって行われます。骨芽細胞がカルシウムをもとに骨をつくり、破骨細胞が古い骨を壊してカルシウムを血液中に送り出します。
2つの細胞は、カルシウム濃度をコントロールする役割も持っているのです。
子供の成長に必要なタンパク質、糖質、脂質の働きは、ビタミンB群によって向上します。骨の代謝を良くし、強度や密度を高めるためにもビタミンB群は欠かせない栄養素だとされています。
加工食品やインスタント食品に含まれているリンは、過剰摂取すると骨が弱くなる可能性があります。子供の食事には栄養バランスの良い、手作りのものを用意してあげると良いです。
低身長に関する悩みは、専門医に相談しましょう。