姿勢が悪いことが原因で身長が伸びづらくなるというようなことは、医学的には考えられません。
「姿勢が悪いと身長が伸びにくくなる」という話を耳にすることがありますが、姿勢は、身長に影響するのでしょうか?
今回は、子供の身長と姿勢との関係についてご紹介していきます。
身長と姿勢の関係
結論からいってしまうと、姿勢が悪いからといって、身長が伸びづらくなるというようなことは、医学的には考えられません。ただし、猫背になって背中を丸めているよりも、胸を張って背筋をピンと伸ばしている方が、見た目の印象として、背が高く見えるのは事実です。
何でも、猫背にしているよりも、背筋を伸ばしているほうが、2cmくらいは、身長が高く見えるのだそうです。また、姿勢が良いと、堂々として美しく、健康的な印象に見えますね。
反対に姿勢が悪いと、見た目の印象が損なわれるだけでなく、体の中の血管や神経、消化器系の内臓などを常に圧迫してしまうので、健康的にも、あまりいいことではありません。また、頭というのは意外と重いので、姿勢が悪くて重心がずれていると、首や肩の筋肉に負担がかかり、肩こりの原因にもなります。
成長ホルモン治療を始めると、1〜2年の間に急速に身長が伸び、その後は伸び方がゆるやかになっていきます。しかし、根気よく治療を続けることで少しずつ背が伸びていきます。
姿勢というのは、癖になってしまうので、大人になってから治そうと思っても、「気がついたら、また猫背になっていた」というようなことがよくあります。なるべく早い段階から、正しい姿勢を身につけておいたほうが、今後のためにもよいと言えるでしょう。
姿勢をよくする方法
では、姿勢を良くするためには、どのようなことをしていけばよいのでしょうか?
ここからは、その方法をご紹介していきます。
姿勢を良くするための基本は、常に正しい姿勢を意識することです。頭のてっぺんの髪の毛が、いつも上から引っ張られているようにイメージするとよいでしょう。
背筋を伸ばした状態を維持するためには、それを支えるための腹筋と背筋が必要です。
腹筋を強化する方法は、仰向けになって手を頭の後ろで組み、膝を立てます。次に、頭を床から25cmほど上げて5秒間キープし、ゆっくりと元に戻します。同じ要領で、頭を上げるときに、上体をねじりながら上げるのもオススメです。これらの運動を毎日5〜10回ほどくりかえすと良いでしょう。
背筋を強化する方法は、うつぶせになって、両手を腰の後ろで組みます。そのままゆっくりと上体を上げて、3〜5秒間キープし、ゆっくり元に戻します。こちらの運動は、毎日20回ほど行うとよいでしょう。
ただし、背骨の歪みがひどい場合は、こういった方法だけで、姿勢を治すのは困難です。真っすぐ立ったときに、肩や肩甲骨の高さが左右対称になっているか、深くお辞儀をしたときはどうかを確認してみて、あまりにも歪んでいるようなら、整形外科医に相談することをオススメします。