睡眠は、子供の身長を伸ばすために欠かせないものです。

「寝る子は育つ」という言葉があるように、睡眠は、子供の身長を伸ばすために欠かせないものです。
ここでは、身長の伸びに重要な役割を果たす「成長ホルモン」と睡眠との関係について詳しく解説します。

「寝る子は育つ」は本当だった!

子供の身長を伸ばすために、睡眠が不可欠なのは、背を伸ばす上で重要な役割を果たす「成長ホルモン」が、睡眠中に活発に分泌されるからです。

成長ホルモンとは、脳の下垂体から血液中に分泌されるホルモンで、子供の骨の両端にある軟骨組織に働きかけ、骨を伸ばす作用があります。
また、体のあらゆる部分の材料になる「タンパク質」の合成を促進するので、骨を丈夫にしたり、骨を支える筋肉をつくったりといった作用も持っています。

ただ寝ればいいというわけではない!

私たちの眠りには、「深い眠り(ノンレム睡眠)」と「浅い眠り(レム睡眠)」がありますが、寝入った直後は、眠りがもっとも深くなり、その後、浅い眠りと深い眠りを交互に繰り返します。
成長ホルモンの分泌が多くなるのは、このうちの深い眠りのとき。特に、寝入った直後のもっとも深い眠りのときにがもっとも活発に分泌されるといわれています。
そのため、成長ホルモンの分泌を高めるには、ただ眠ればいいというわけではなく、ぐっすりとよく眠ることが大切です。
ここからは、深い眠りを得るために、心がけたい5つのポイントをご紹介していきましょう。

睡眠環境を整える

睡眠の質を高めるためには、心地よく眠れる環境を整えてあげることが大切です。
布団や枕がやわらか過ぎると、体が沈み込んで、不自然な姿勢になりますし、反対に硬過ぎても、血流が悪化して、寝返りばかり打ってしまうので、深く眠ることができません。
自然な姿勢を保ちつつ、適度に寝返りが打てるような寝具を用意してあげましょう。
また、子供は新陳代謝が高く、汗っかきです。寝具やパジャマは、汗を吸収しやすい素材で、こまめに洗濯できるものを選びましょう。

早寝早起きを心がける

私たちの体には、「体内時計」が備わっており、特に意識をしなくても、朝になると目が覚めて日中は活動的になり、夜になると休息モードに切り替わるようにできています。
ところが体内時計は、約25時間周期なので、地球上での生活に合わせるためには、毎日1時間ずつズレを修正しなくてはなりません。
そこで役立つのが朝日を浴びること。朝の光を浴びれば、体内時計のズレがリセットされ、日中を活動的に過ごせます。
そして、日中にしっかり体を動かし、夜は早めに寝るという習慣を持つことで、自然と睡眠の質が高まっていきます。

夕食は就寝の2時間前までに

寝ている間は、消化機能が低下するので、寝る直前に食事をすると、食べたものが胃で消化されない状態で眠ることになり、眠りが浅くなってしまいます。
また、朝起きたときに、お腹が減らなくなるので、朝食を抜く原因になり、生活習慣を乱れさせてしまいます。
夕食は遅くても、就寝の2時間前までに済ませるようにしましょう。

就寝前の入浴を習慣化する

私たちは、眠りに入るときに、体の深部体温が下がりますが、その下降が急速であるほど、深い眠りに入ることができます。
このため、寝る15~30分くらい前に、ぬるめのお風呂にゆっくりつかり、体を芯から温めてから寝ると、熟睡しやすくなります。

寝る直前にテレビや携帯を見ない

夜になると、だんだん眠くなってくるのは、睡眠を誘う「メラトニン」というホルモンが分泌されるからです。
メラトニンは、体内時計の働きによって、朝日が目に入ってから14~16時間ほど経つと分泌されますが、暗くならないと分泌されないという性質があります。
このため、寝る直前に照明の明るい部屋で過ごしたり、テレビやパソコン、携帯電話などの明るい画面を見たりしていると、メラトニンの分泌が低下して、眠れなくなってしまいます。
寝る前は、強い光を発するものを見せないようにし、照明を少し落とした落ち着いた部屋で過ごさせるようにしましょう。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 沼倉 裕堅 医師