平均身長より低いからといって、それがすぐに低身長に結びつくとは限りません。
「うちの子は平均身長より低いから低身長かもしれない」と不安を感じる親御さんも少なくないかもしれません。
しかし、平均身長より低いからといって、それがすぐに低身長に結びつくとは限りません。
ここでは、平均身長の捉え方と、低身長を判断するうえで目安となる基準についてご紹介します。
平均身長ってなに?
子供の「平均身長」は、文部科学省が発表している「学校保健統計調査報告書」から知ることができます。
学校保健統計調査報告書とは、満5歳~17歳までの児童を対象に、その年の平均身長や平均体重、肥満傾向児童の出現率、主な疾病・異常(虫歯、アトピー性皮膚炎、喘息など)の割合と、これらの推移を調査した統計資料のことです。
子供の発育や健康状態を明らかにすることを目的として、毎年4月~6月の期間に、健康診断の結果に基づいて調査が実施されています。
平成26年度の調査によると、子供の平均身長は以下のとおりでした。
年齢 | 男の子 | 女の子 |
5歳 | 110.3cm | 109.5cm |
6歳 | 116.5 cm | 115.5cm |
7歳 | 122.4 cm | 121.5cm |
8歳 | 128.0 cm | 127.4cm |
9歳 | 133.6 cm | 133.4cm |
10歳 | 138.9 cm | 140.1cm |
11歳 | 145.1 cm | 146.8cm |
12歳 | 152.5 cm | 151.8cm |
13歳 | 159.7 cm | 154.8cm |
14歳 | 165.1 cm | 156.4cm |
15歳 | 168.3 cm | 157.0cm |
16歳 | 169.8 cm | 157.6cm |
17歳 | 170.7cm | 157.9cm |
平均より低いとダメ?
平均身長と子供の身長を比べてみると、「うちの子はかなり小さい」と不安を感じる方もいるでしょう。
しかし、身長の伸びは個人差が大きいものですし、平均よりも背が低いからといって低身長とは限りません。
平均身長は、あくまでも参考程度と捉えましょう。低身長かどうかは、身長の「SDスコア」を使って判断することができます。
SDスコアの「SD」とは、「標準偏差」と言い、平均値からのばらつきの幅のことです。
身長でいうと、同じ年齢の子どもと比べてどれぐらい高いか低いかを、平均値からSDの何倍離れているかによって表しているのが、SDスコアです。
上にあるのは、同性・同年齢の子供をたくさん集めたときの身長のばらつきを表した図で、横軸がSDスコア、縦軸が子供の人数です。真ん中の山が高くなっているところは、1番人数が多い身長、つまり平均身長(0SD)ということです。
そして、真ん中から、1SD、2SD(もしくは−1SD、−2SD)と離れていくほど、身長が平均から離れていることを表します。
低身長とは−2SD以下の身長のことで、図の左端の部分がこれに該当します。
その数は全体の2.3%、つまり、同性・同年齢の子供が100人いたときに、身長が低い方から数えて2~3人目までが低身長になるということです。
平均より身長が低くても、−2SD以上であれば低身長とは定義されません。
性別、生年月日、身長を入力するだけでSDスコアを計算してくれるWebサイトもあるので、そういったものを利用してみるといいでしょう。
また、「背が伸びないのは病気のせい?身長が平均より低くなる原因」のページにも、SDスコアを自分で計算する方法を記載していますので、そちらも合わせてご覧ください。
平均身長は年々伸びている?
最近は、手足がスラっと伸びた子供が増えてきました。
実際、過去に比べて日本人の平均身長は、男女ともに伸びています。
特に、女子は8~11歳、男子は12歳以降に、過去と比較した差が大きく、60年ほど前と比べると、女子(11歳)は11.9cm、男子(12歳)は14.3cmも平均身長が伸びています。
これには、生活環境(特に栄養状況)や外部環境が大きく改善したことが関係していると考えられており、このことからも、食生活が身長を伸ばすうえでとても重要な役割を果たすということが伺えます。
平均身長と子供の身長を比べてみると、「うちの子はかなり小さい」と不安を感じる方もいるでしょう。
しかし、身長の伸びは個人差が大きいものですし、平均よりも背が低いからといって低身長とは限りません。
平均身長は、あくまでも参考程度と捉えましょう。低身長かどうかは、身長の「SDスコア」を使って判断することができます。