少し身長が低い程度なら、低身長には当てはまりません。
子供の身長が低いと、「低身長ではないか」と心配する方もいるかもしれませんが、少し身長が低い程度なら、低身長には当てはまりません。
そこで今回は、低身長の定義や、低身長の種類をご紹介していきます。
低身長とは
「成長ホルモン」はその名の通り、子供が成長していく上でもっとも重要な役割を果たすホルモンです。
なんらかの理由でこの成長ホルモンの分泌が少なかったり、または分泌されていなかったりする場合に、それを補充するための「成長ホルモン治療」を行います。
低身長の原因となるもの
低身長は、大きく分けると、「特定の疾患によって起こるもの」と「病気以外の原因が考えられるもの」とに分類することができます。
それぞれに、どんなものがあるのかを見ていきましょう。
・子宮内発育不全( SGA 性低身長症)
お母さんのお腹の中にいるときに、成長が遅れたり、成長が止まったりすると、標準よりも、小さな体で生まれてきます。
そういった場合も、通常は 2 〜 3 歳頃までには、標準的な体型に追いつきますが、追いつかない場合、 SGA 低身長が疑われます。
・成長ホルモンや甲状腺ホルモンの病気
「成長ホルモン」や「甲状腺ホルモン」は、身長の伸びに深く関わっているホルモンです。
このため、これらのホルモンの分泌量が低下していたり、もしくは、分泌されなかったりすると、身長が伸びなくなって、低身長になることがあります。
・染色体の病気(ターナー症候群やプラダー・ウィリー症候群など)
非常にまれなケースではありますが、生まれつき細胞の中の染色体に、欠損や突然変異があることで、低身長になることもあります。
・骨や軟骨の病気(軟骨異栄養症)
身長が伸びるのは、骨の軟骨層の細胞が増殖し、骨が大きくなっていくからです。
このため、骨や軟骨そのものに異常がある場合も、低身長になることがあります。
・心臓・肝臓・腎臓などの臓器の異常
心臓や肝臓に異常があって、成長のために必要な栄養素を体の中に取り込めないと、身長の伸びが悪くなり低身長になることがあります。
上記のような病気が特定できず、病気以外のものが原因と考えられる低身長として、「家族性低身長」や「体質性低身長」などがあります。
これらのように病的原因が見当たらない低身長を「特発性低身長」と呼び、低身長児の大部分はこの特発性低身長にあたります。