健康保険が適用される疾患や、利用できる助成制度についてご紹介していきます。
お子さんが低身長と診断され、治療を受けることになった際、やはり気になるのは、治療費のことではないでしょうか。
そこで今回は、低身長症の代表的な治療法である「ホルモン療法」で健康保険が適用される疾患や、利用できる助成制度についてご紹介していきます。
成長ホルモン治療には健康保険が適応
低身長症の治療法にはいくつか種類がありますが、もっとも多く行われているのが「成長ホルモン治療」です。
これは、自宅でほぼ毎日、ペン型の注射器を使って、成長ホルモンを補充していくという治療法です。
この成長ホルモン治療は、成長ホルモンの分泌が不足している「成長ホルモン分泌不全性低身長症」のほか、「ターナー症候群」「軟骨異栄養症(軟骨無形成症・軟骨低形成症)」「慢性腎不全性低身長症」「プラダー・ウィリー症候群」「SGA性低身長症」と診断され、骨にある「骨端線(成長線)」が閉鎖していない場合に、健康保険が適用されます。
成長ホルモン治療に利用できる各種医療費助成制度
ただし成長ホルモンは、非常に高価な薬である上に、治療も長期にわたって続くので、たとえ健康保険が適用されたとしても、治療費がかなり高額になってしまいます。
そこで、医療費の負担を軽くするために、成長ホルモン治療には、いくつかの「医療費助成制度」が設けられています。
長期治療を必要とする小児疾患に対して、公費による医療費補助が受けられる制度です。
成長ホルモン治療が認められている疾患のうち、「成長ホルモン分泌不全性低身長症」「ターナー症候群」「軟骨異栄養症(軟骨無形成症・軟骨低形成症)」「慢性腎不全性低身長症」「プラダー・ウィリー症候群」が、医療費助成の対象とされているので、認定条件を満たしていれば、助成が認められます。
ただし、1年ごとに更新する必要があり、保護者の所得に応じて自己負担限度額が設定されています。詳しくは、厚生労働省のサイトか、お近くの保健所にお問い合わせください。
難病(特定疾患)の患者に対する医療費助成制度で、医療費の一部を国や都道府県によって負担してもらえます。
ただし、1年ごとに更新する必要があり、保護者または、本人の所得に応じて、自己負担限度額が設定されています。
「下垂体機能低下症(成長ホルモン分泌不全性低身長症など)」は、その対象疾患に指定されています。
詳しくは、難病情報センターのサイトか、お近くの保健所にお問い合わせください。
乳幼児の医療費の自己負担額を、都道府県および市区町村から助成してもらえる制度です。
対象となる年齢や所得制限、制度の名前などは、都道府県や市区町村によっても異なります。
詳しく は、お住まいの地域の市役所や区役所、町村役場にお問い合わせください。
病院や薬局で、1 ヶ月間に支払う医療費が一定の金額を超えた場合に、超えた分の医療費が加入している健康保険から戻ってくる制度です。
自己負担限度額は、保護者の所得や年齢によって異なります。
詳しくは、加入している全国健康保険協会、健康保険組合、各種共済組合、お住まいの地域の市役所、区役所、町村役場などにお問い合わせください。
また、これらの制度について、医師や看護師のほか病院のソーシャルワーカーに相談してみるのもよいでしょう。