「血液検査」や「尿検査」「手のレントゲン検査」を行います。
低身長症が疑われる場合、医療機関ではどのような検査が行われるのでしょうか。
今回は、低身長症の検査についてお話していきます。
診断のために行われる検査
初診の際は、問診と診察を行った上で、低身長の原因となる病気の有無を調べるために、「血液検査」や「尿検査」「手のレントゲン検査」を行います。
手のレントゲン検査を行うことで、骨の発育程度(骨年齢)を同性・同年齢の子どもと比較することができます。
ホルモンの分泌異常による低身長の場合は、骨年齢が実際の年齢に比べて、著しく遅れているケースがよくあります。
また、子供の骨の場合は、レントゲン写真を撮影したときに、骨の端のほうに「骨端線」という隙間が確認できますが、骨端線が閉じていて隙間が確認できない場合は、すでに大人の骨になっているということなので、これ以上、身長が伸びることはありません。
血液・尿検査によって、肝臓病や腎臓病、糖尿病などの病気がないかを調べることができます。
また、朝一番の尿に含まれる「成長ホルモン」の量を計ることで、睡眠中に十分な量の成長ホルモンが分泌されているかを調べたり、血液検査をすることで、骨を伸ばす「ソマトメジン C 」や「甲状腺刺激ホルモン」「甲状腺ホルモン」「性腺刺激ホルモン」など、成長に影響を与えるホルモンの量を調べたりすることもできます。
初診の際の検査結果で、何らかの病気の疑いがあった場合は、必要に応じて、さらに詳しく調べるために、「成長ホルモン分泌刺激試験」や「全身のレントゲン検査」「染色体検査」「頭部 MRI 検査」を行うこともあります。
低身長の原因が「成長ホルモン分泌不全」にあると考えられる場合に行う検査です。
成長ホルモンの分泌を促す薬剤を投与して、夜間眠っているときのように成長ホルモンが分泌されやすい状態をつくり、一定時間ごとに採血をして、血液中に、成長ホルモンがどのくらい分泌されているかを調べます。
低身長の原因が骨の病気にあると考えられる場合は、全身のレントゲン写真を撮ることがあります。
低身長の原因が「染色体異常」にあると考えられる場合に行う検査です。
頭部 MRI 検査をすることで、成長ホルモンを分泌する脳の脳下垂体や、その周辺に異常がないかどうかを調べることができます。