子どもの身長や成長速度は、一人ひとり異なります。しかし周りの子と比べて身長が低いと、心配になる方もいらっしゃるでしょう。この記事では子どもの低身長について、身長が伸びない理由とともに、身長を伸ばす対策を解説します。

低身長の基準について知ろう

低身長の診断の際には、成長曲線という平均身長のデータを用います。このデータよりも身長や成長速度が極端に下回る場合、低身長である可能性があるといえます。低身長は、同じ性別・年齢・人種の子が100人背の順で並んだときに、前から2~3人目までの子に相当します。

身長が伸びる仕組みを解説

そもそも身長はなぜ伸びるのか、その仕組みを知っておきましょう。
成長期の子どもの骨には、骨端線という組織があります。この骨端線が新しい骨組織を作り、骨が成長することで身長が伸びる仕組みです。新しい骨組織の生成は、成長ホルモンや栄養などによって促されます。

骨端線は思春期を過ぎる15歳前後で硬い骨に変化します。骨端線が閉じてしまうと骨が成長しなくなり、身長も伸びなくなります。

低身長チェックをしてみよう

低身長かどうかは成長曲線や検査で診断されますが、事前に簡易的なチェックも可能です。性別・年齢・現在の身長を入力することで、低身長の可能性を把握できます。

お子さまの身長が気になる方は、下記のページで確認してみましょう。

子どもの低身長チェック

子どもの身長が伸びない理由・原因って?

身長は遺伝するといいますが、実はそれだけではありません。
子どもの身長が伸びない理由や原因はさまざまあります。

遺伝

子どもの身長は遺伝的な要因も大きいことがわかっています。両親の身長が低い場合、高確率で子どもの身長も低くなる傾向にあります。将来の最終身長は、両親の身長をもとに以下の計算式で予測が可能です。

【男子の場合】
・予測最終身長=(父の身長+母の身長+13)÷2+±9
【女性の場合】
・予測最終身長=(父の身長+母の身長+13)÷2+±8

ただし、上記の計算式でもとめられる身長はあくまで目安です。環境的要因なども含めて実際の最終身長とは異なる場合があります。

病気

身長が伸びない理由として、何らかの病気を発症している可能性があります。特に成長ホルモン分泌不全は、代表的な低身長の病気です。脳や甲状腺の異常で成長に不可欠なホルモンが適切に分泌されず、成長障害となります。他にも染色体異常のターナー症候群、突発性低身長などの病気があげられます。

下記では低身長の原因となる疾患について、詳しくご紹介しています。

低身長の原因

睡眠不足

睡眠不足も低身長になる一因になりうるといえます。身長を伸ばすために必要な成長ホルモンは、寝ている間に最も分泌されます。しかし十分な睡眠時間がとれていないと必要な成長ホルモンの分泌が妨げられ、身長の伸び率に影響するといえます。
身長を伸ばすためにも遅くても22時前には就寝し、7〜8時間の睡眠は確保しましょう。また日中はよく身体を動かすことで、適度な疲労感が生まれ深い眠りにつきやすくなります。

栄養の偏り

骨の成長には、鉄・亜鉛・ビタミンDが欠かせません。またカルシウムやアミノ酸も必要です。栄養バランスが極端に偏っていると、身体の成長に影響を及ぼします。特に鉄や亜鉛(必須アミノ酸)が不足し、欠乏状態となると身長の伸び率は低下します。
成長期にはこれらの栄養素を含んだ食事を積極的に摂取し、バランスのよい食事を心がけましょう。

運動不足

運動不足も子どもの骨の成長を妨げる要因となります。適度な運動は骨に刺激を与え、新しい骨の生成を促します。運動によって血行促進や食欲増進の効果が期待でき、さらに快眠にもつながります。
無理なく継続できる運動習慣を身に付けることが大切です。

ストレス

過度なストレス(心理社会的要因)によって、成長ホルモンの分泌を妨げることがあります。環境や家族関係の問題などで生じるストレスなどが考えられます。子どもが十分な愛情を与えられず育つと、成長が未発達になるケースもあります。

小児低身長治療(成長ホルモン治療)の検討もおすすめ

身長を伸ばすために生活習慣を見直すことも1つの方法です。しかし何らかの疾患が隠れている場合は生活習慣の改善だけでなく、クリニックで受けられる小児低身長治療も検討してみましょう。成長ホルモンを用いて着実に身長を伸ばす、小児低身長治療についてご紹介します。

小児低身長治療の対象年齢

小児低身長治療の対象年齢は、以下のとおりです。

  • 男子:15歳未満
  • 女子:13歳未満

上記の年齢はあくまで目安です。実際の年齢と骨年齢が乖離している場合、つまり早熟傾向なのか晩熟蛍光かでも変わってきますし、男の子なら声変わり等、女の子なら整理開始時期などによって大きく適応年齢が変わります。
実際に検査をして適応判断となりますので、気になる方は早めの受診をおすすめします。

小児低身長治療の治療方法

小児低身長治療とは、成長ホルモンを注射で補充し、骨組織の生成を加速させる治療のことです。適切な時期に成長ホルモンを補うことで、個人差はあれど着実に身長を伸ばせます。治療は毎日自宅での自己注射になります。極細の針で打つため、就寝時に打っても起きない程度の痛みです。
カウンセリングとレントゲン・採血などの検査のあと、検査結果に応じた補充療法を始める流れとなります。

当院の小児低身長治療については下記で詳しくご紹介しています。
小児低身長(成長ホルモン治療)

まとめ

身長が伸びない理由は、遺伝だけでなく病気や生活習慣など多岐に渡ります。生活習慣による身長の伸び悩みは、十分な睡眠時間の確保、バランスのよい食事、適度な運動習慣などで改善の見込みがあります。しかし何らかの疾患によって身長が伸びていないのであれば、治療が必要になるといえます。

西新宿整形外科クリニックでは、身長が気になるお子さまに「成長ホルモン治療」を実施しています。遺伝による低身長の可能性があっても、適切なタイミングで成長ホルモンを補えば、医学的には骨は必ず成長するといわれています。ただし、治療できる期間は限られています。「もしかして低身長?」と思ったら、まずは当院の無料カウンセリングへお越しください。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
住所 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-21-3 新宿大京ビル7階
お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師